第2話

城攻めをするにあたって、メールでアンケートを取った。

攻城するのに、人が集まらないと落城できないからだ。

アンケート結果22時位が良いことになった。

連盟掲示板に基本城攻略は22時に行う事を明記した。

しかしながら、現実はそう甘くない。

益州の大連盟エクスプロージョンが活動しているからだ。すでに益州の城を取り始めている。今隣接している城もモタモタしていると取られるかもしれない。

よって今日の24時攻城を決定してメールをした。

いきなりだったけど、みんなはやる気満々で城の周りに砦を築き始めた。

城の周りには40以上の砦が立ちチャットには参加していない人達も参加をしてくれている。盟主をしていてこんな嬉しい事は無い。

「初攻城戦まで後10分になりました。準備は良いですか?」と連盟チャットに入れる。

数人から返事があるものの大半は返事がない。

心配になりながらも、時間になり「攻撃開始」と指示をした。

40分の戦いの末、初のレベル3の城を攻略をしたのだった。

大連盟エクスプロージョン(面倒なのでExと呼ぶ)からは参加に入れと何度も連絡が来るが、あの手この手でのらりくらりと交わしていた。

Exの攻略した城の間に楓の木が囲った城がある。しかし此処もいつ奪われるか分からない状態だった。

また次の城を落としたのち「緊急」と題して城を落とすことにした。

そうまた24時だ。

そして、連盟チャットが荒れ狂う事になる。

疾風「24時にやるなんてあり得ない。もっと早くできないの?」

かえで「早い時間にすれば砦をなど立てる時間が無いからこれ以上早くするのは無理です。ただでさえ一日に2回の攻城となり兵の回復が必要です」

お前が2回やろうと言い出したから2回やる事にして昼の時点で公表した時何も言わなかったじゃねえかよ。いい加減にしろよなと心で叫びつつ大人の対応に心がける。

疾風「18時とかでも良いじゃん」

かえで「18時の開始なら私は不参加ですね」

疾風「今時定時で帰れない会社なんてあるの?。ブラック過ぎない?」

かえで「定時で帰れる会社なんてあるんだ、羨ましい」

疾風「今コロナで在宅勤務が当たり前じゃん」

かえで「良いな、在宅勤務、私の仕事で在宅勤務なんてあり得ない」

疾風「子どもが居るから、そんな遅くまでできないよ」

そうか、小さい子どもが居ると奥さんとかうるさいよな。確かにうんうん

疾風「中1の息子がお父さんもやってるから別に良いじゃんって言ってくるから無理」

かえで「中学生になれば内緒でやるようになるし布団に潜ってやったりもするよ。私が寝た後こっそり起きてやったりね」

アナゴ「大体全員が参加できるなんてあり得ないんだからしょうがないじゃん」

疾風「24時なんて有り得ない、もう良いやめる」

かえで「わかりました。今回の24時の攻略は辞めます。他の皆さんに多大なるご迷惑をおかけしましたので盟主を辞任します」

アナゴ「こらこら、そんな事で辞めるとか、辞任するとか良い大人だからやめようよ」

死圧「そうだよ、今までかえでさん一人でやって来たんだから皆んなで協力して分担してやろうよ」

簡易「盟主なんて誰もやりたくない大変なポジションやってくれてるんだから盟主の意見に反対したらダメだよ」

ポテト「意見を言えなくなるのは雰囲気が悪くなるから、言いたい事言えるこの連盟だから良さがなくなるよ」

あなご「言いたい事を言うのは良いけどわがままを通す事とは違うよね」

ポテト「まぁそうだね」

疾風「わかりました、言いすぎました。すいません」

すいませんは日本語じゃね、すみませんだよ

と心で思いながら

かえで「私も大人気なかったです。すみません」

と謝った。

疾風「今後も24時なんて無理だから」

と最後まで叫んでいた。

美咲「いやいや、基本22時にやるって連盟掲示板に書いてあるだろうに、今回は緊急だしExが取りに来てるからしょうがないじゃん」

僕のコチャには励ましのチャットが来ていた。

かえで「30分も有れば城落とせるよね」

死圧「はい。行けると思います」

かえで「疾風さん、23時30分以降に着弾できるように攻撃できますか?」

疾風「はい、できます。」

かえで「ではその様に、なるべく着弾は遅い方が良いです。お願いします。」

疾風「わかりました」

死圧「時間の変更をするのですか?」

かえで「いいえ、他の方は予定通り24時でお願いします。24時から30分で落とします」

死圧「素晴らしいです。良い落とし所だと思います」

かえで「では、その様に進めますので、皆さんよろしくお願いします」

そして無事に城攻略を終え楓の木が一つにまとまった瞬間であった。

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