第31話
ラウムツァイトが龍王の一角であるというカミングアウトを受け、本人から色々と話を聞いた。
それでわかったことをまとめるとこうだ。
8龍王とは名の通り龍の中でも特に強い龍のことで、現在は炎龍、水龍、雷龍、土龍、風龍、星龍、時空龍、覇龍の8体ということ。
星龍の占いによって龍神が地上に降臨したことがわかったこと。
そして、龍族は龍神が地上に降臨するこの時をずっと待っていたらしいということだ。
「なるほどね。来るって分かってたからこのあたりを探していたら私の龍気を見つけたと」
「その通りでございます。長距離の移動で我に並ぶものはいませんから、我がこの大役を勝ち取ったのです」
「あー…そう」
本当に面倒なことになった。当初の予定では、派手に目立ちすぎることもなく家庭教師の任期が終わったら王都にでも寄りつつ、シエラの言っていたススキノへでも行こうかと思っていたのだが。
これでは目立つどころの話ではない。神の降臨など天変地異並みの大ニュースなのだから。
幸い?にもこの場には門番をしていた騎士二人とマーリンしかいない。先程、普段は閉じているから人が寄り付かなくて、比較的楽な仕事だったのになぜ…と片方の騎士が漏らしているのが聞こえていて、気の毒に…と思ったところだ。
「ちなみにこのことって、やっぱりお偉いさんに伝わっちゃうよね?」
突然話を振られたマーリンは反応が遅れたが
「少なくとも国王様にはお伝えするべきかと思っておりますが…」
「まぁだよねぇ。とりあえず面倒なことには巻き込まないって約束してくれればどう伝えてもらっても構わないよ。貴方が変なふうに伝えるとは思わないし」
「断じてそのようなことはしないと誓います。ここで起こった真実のみを、伝えさせて頂くのするのじゃ。」
「うん。そうしてくれると助かるよ。で龍の里へはいついけばいいの?今からとか言われても困るんだけど」
「早ければ早いだけいいですが、1ヶ月ほどかけてエクレール様を探す予定でしたがすぐに見つけることができたので、1ヶ月ほどはまだ余裕がありますね。時空間を飛べばすぐですから」
丁度家庭教師も1ヶ月の予定だったしちょうどいいか。
「1ヶ月か。丁度いいね。じゃあ1ヶ月位で向かうとして、期限付きってことはただ私を招待したいってわけじゃないんでしょ?」
「私が同席してたらまずかったらすぐにいなくなりますが…」
「いやいい。直近になったらラザールの国王には伝えるつもりだったしな。単刀直入に言えば今日から2ヶ月後、龍の里の地下に封印されている邪龍神の封印が切れてしまうのだ。エクレール様にはその邪龍神の討伐、もしくは再封印をお頼みしたいのです」
思っていた以上の爆弾発言にエクレールもマーリンも再び頭を抱えるのであった
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