研究所からの君

バブみ道日丿宮組

お題:禁断の君 制限時間:15分

研究所からの君

「あの先には何があるの?」

「あっちは街だね。僕らはあっちではなくこっちにいくよ」

「こっちって」

「こっちこっち」

「森がある方ね」

「そう。森を抜けて山を越える」

「今日中に行くの?」

「これ以上遅くなったら君は実験材料として奴らに使われてしまう」

「うん」

「そのためには今距離をとる。当然あいつらも探しにくる。一番最初に探すのは僕たちがいた村、そしてあっちにある街。君がいた研究所はもう調べ終わってるだろうね」

「森や山にはこないの?」

「君の姿を考えればありえないと思うだろう」

「そう……ごめんね。私も歩ければよかったのだけど」

「平気。この先もずっと君といられるならおんぶやお姫様抱っこだってしてみせるよ」

「お姫様抱っこは恥ずかしいかな」

「そっか残念」

「で、でもいつかやってもらうかもしれないから……うん」

「それは楽しみかな」

「少し木が多くなってきたね。そろそろ山道に入るのかな?」

「まだかな。これは森にあるただの段差。結構こういうのがこの森だと入り組んでてさ、動物がいそうな場所や果実がある場所は覚えられてるよ」

「そっか。だから足運びがはやいんだね」

「幼い頃からずっと手伝いとかで入ってるからね。森も山も知らないところはないよ」

「ふふ。私はあの研究所の近くだけかな。外にあまり出してくれてなかったから」

「これからはずっと君は外の世界を知れる。僕と一緒に知り続ける」

「とっても楽しみね」

「追手がこなくなれば街とかにも入っておきたいね。お金もある程度稼がなきゃ」

「私もするわ」

「君ができる……うん、家で仕事できるものもあるから大丈夫かな」

「働くのははじめてだから少し楽しみだわ」

「その楽しみが奪われないために今は僕にしっかりつかまっててね」

「えっちなこと考えちゃ駄目だからね」

「君の胸でいまさら興奮しないさ」

「嘘ね」

「触るのはなしだよ」

「確認しないと背中からだとわからないもの」

「そっか」

「うん、そうよ」

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研究所からの君 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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