八話
森の外に一番近い木の下にレティはいた。
近くには木が一本倒れている。レティがいつも転移する時に使っていた木だった。
倒れた木の向こう、森の中から魔物がぞろぞろと外に抜けていた。
何体かはレティとマースに気付いて向かってきている。
だけど、レティの薄緑の瞳に魔物は映っていなかった。
氷の壁に囲まれた森の出入り口と街までの道のり。その半分の地点にいる白金色の髪の青年を見ていた。
四方を魔物に囲まれている。何か魔法で守られているみたいだけど、破られれば危ないのは瞭然だった。
そう認識したレティは残った魔力と森にある彼女自身の魔力を連結した。
胸の入れ墨から常にレティの魔力が森に流れ込んでいる。代わりに、浄化の湖が少しだけ彼女に魔力を与えていた。
要するにレティと森は同じ魔力を持っていることになる。森で常にレティの魔法が発動しているのも、森以外で魔法を使うと直ぐに少女の魔力が枯渇するのもそれが原因だった。
翻せば、彼女の中にほんの一欠片でも魔力が残っていれば、後は森に残っている魔力で魔法を使うことは可能だった。森と繋がりさえすれば、操作するだけの魔力さえ残っていればどうとでもなる。
まず、効果を失っていた影の結界を再構築する。倒れた木の隣にある木々に、新しい結界を張っていく。
結界の効果が顕現する。
森を抜けようとしていた魔物の足元が闇の沼に変わり、抵抗する間もなくズブズブと闇の底に沈んでいった。木々に張り付いていた粘体の魔物も同様だ。地面から黒い沼が伸びていき、触手のように絡め取りながら同じように闇に取り込まれていく。
今まさに森から出ようとしていた魔物の足が止まった。人間の負の感情から生まれた魔物は、ただ只管に他の生き物を害する本能しか持ち合わせていない。
にも関わらず、結界の効力を目の当たりにした瞬間、魔物たちは一斉に踵を返し、森の奥へと消えていった。
破壊衝動よりも更に深いところ、生存本能が少しでも森を出る意思を見せれば途端に殺されることを察知していた。
森から魔物が出てこなくなったのを確認したレティは、次に手元の影を操作する。
倒れた彼女の周囲から、一瞬で数十以上の闇の触手が蠢き立つ。ユラユラ動く様は黒い炎のようにも鞭のようにも薄い剣状の何かにも見える。それらが全て、レティの意思一つで攻撃を開始した。
蠢いていた影が一本一本伸長していき、魔物に襲いかかっていく。ある魔物は切断され、ある魔物は串刺しにされる。触手の影が魔物を包み、繭状にしてから圧死させるのもあった。
暴虐の嵐が、瞬く間に街までの道のりの半分まで到達する。
ロイドを取り囲んでいた魔物達が反応する前に、彼を傷つけようとしていた魔物から順番に切り裂き、貫き、絡めては地面にできた闇の沼に引き摺り込んでいく。
ロイドも、バノンも、コリンも、遠くで見ていた住人達さえも、声もなく一人の少女の強力な魔法をただ茫然と見つめていた。
ーーしかし、それまでだった。
唐突に影の嵐が止み、全てが地面に還る。ロイドから森までの間に魔物は一匹たりともいなくなったことだけが、先程まで壮絶な魔法が使われていたと物語っていた。
何も無くなった氷の壁でできた道の向こう。木の下では、少女の顔が地面に伏せているのがロイドの目に入った。
限界を超えたのだろう。元々助けた時から意識自体も朦朧としていた。そこに多分だが森の結界を張り直した。
その上、ロイドを守るために無理を押して魔法を行使したのだ。レティが今どんな状態なのか、想像するだけで走り寄りたくなる。
だけど、ロイドは彼女に背を向けた。まだやり残したことがある。
ロイドから街までの距離ーーロイドを襲わず、進軍を続けていた魔物はまだ数十体もいた。
バノンはレティの魔法を目にして完全に手を止めていた。そのため魔物に取り囲まれているが、魔法の防壁が彼を守っていた。
防護魔法を放ったのはコリンだろう。反動がきたのか膝を着いて肩で息をしているのが微かに見えた。
状況を確認したロイドは、自分の立っている場所から森までの氷の壁を解除する。
砕け壊れる音を聞きながら、頭上に右手を掲げながらパキンと指を鳴らして魔力を放出する。
ロイドの周囲に五十以上の巨大な氷の槍が一斉に出現した。氷の壁に囲まれた道に殆ど隙間なく設置されていく。
所定の位置に移動した氷の槍がそれぞれ高速に回転を始める。
「……オッサン、そのまま伏せていろっ!コリンって言ったか!?頼んだぞっ!!」
叫びながら氷の槍を力の限りぶっ放した。
普段は加えない回転の効果が付いた槍は近くにいた魔物を貫通させ、尚も速度を落とすことなく次の標的を貫いていく。
それを見たバノンは素早く地面に身を投げ出した。
「もおぉっ、人使いの、荒いっ!!」
ロイドの叫びに叫び返しながら、コリンは最後の力を振り絞って魔法を発動させた。
ロイドの氷の槍は、コリンの通常の防護魔法では簡単に貫通されるというのに、残った魔物を駆逐するために放った槍は更に威力が高い。悪態の一つもつきたくなる。
コリンの前に巨大な防護魔法を二重に展開する。そしてコリンの後ろーー逃げずにずっと戦闘を見ていた住人達の方にも防護魔法を一つ。
更に追加に地面に手を着いて土を盛り上がらせ、巨大かつ分厚い土壁を作り上げる。只の土でできた壁だが、おまけとばかりにコリン得意の熱魔法を仕込む。
ついでにバノンの地面を陥没させ、万が一にも被害が及ばないように防護魔法を掛け直した。
氷の槍は魔物を一匹とて逃さず穿ち抜いていた。やがて氷の壁を超えて詰め所まで高速のまま到達する。
二重の防壁はいとも簡単に貫通された。けれど、膜を通った氷の槍は魔力を干渉されて自転を止めた。
そのまま全ての槍が土壁を串刺しにする。
その瞬間、コリンが仕込んだ熱の魔法が発動した。串刺しにした槍が貫通する前に爆発させたのだ。横からの圧力と熱で槍は粉々に砕け散っていく。
爆発の余波で土塊が辺りに飛び散るが、コリンが後方に張った防御魔法のお陰で住民に当たることはなかった。
土の塊がべシャリと音を立てて地面に落ちる。それが最後の音だった。
辺りには静寂が満ちていた。あれだけいた魔物も、魔法の余韻もそこには残っていなかった。
あるのは魔物が踏み荒らした地面と、土壁を作った影響でできた抉れた地面。そして槍を止めるために爆発の魔法を使ったためにあちこちに飛び散った土の汚れと余波で損壊した建物の壁だけだった。
ロイドも、バノンも、コリンも、終わったことに脱力して口を開くこともできなかった。
ーーだから、最初に上げた声はずっと見ていた一人の市民からだった。
「…………やった」
「……あぁ、やったな」
「……凄い、やった」
「やったぞ……やったあっ!」
誰かが叫んだのが皮切りだった。
うおーっ、という歓声が方々から轟いてくる。
その咆哮は街中から響いているのではと錯覚するくらいだった。三人は戦いに集中して気付かなかったが、知らない間に街の殆どの人が集まったのでないかというほど住人達が集まっていた。
歓喜に包まれた中、住民達は街を守った三人に称賛を送るため、また疲労の濃い三人を護送するため走り寄ろうと足を踏み出した。
しかし、それはバノンの手によって止められた。
一足先に気力を取り戻したバノンは、身を起こして詰め所の近くで仰向けに倒れているコリンの側に寄った。
丁度その時に何人かが二人に近付こうとしたので、バノンは手を振って待ったを掛けた。
「ありがとう。……しかし、すまぬが先に逃走時に怪我をした者がいないか見てくれぬか?それと…………建物の被害状況を最優先で頼む。もしまた今、魔物が現れた時に壊れていては守り切れぬ。…………まだ油断せぬよう周囲にも注意を促してくれ。無事が……完璧に分かるまでは近寄らぬよう通達してくれ」
バノンの言葉に歓声に包まれていた住民達に再び沈黙が降りる。
警備兵第一隊長の言葉は尤もだった。原因究明もできていないのに喜ぶのは早計に過ぎる。
警備兵の誘導の元、住民達は大人しく安全圏まで移動することになった。中にはバノン達を気遣って病院まで運ぶと言ってくれていたが、不要と本人に言われては引き下がるしかなかった。
残ったのは警備兵の何人かと建物の建築に詳しい人が幾人かだった。彼等彼女達は無償で警備兵の指示の下、詰め所を中心に建物の様子を見に行った。
コリンはそれらを、仰向けのまま眺めていた。
二人から遠ざかった人達の背中を見送りながらはあと大きく息をついた。
「かなり、適当なこと言うね。……もう森からの危険は無いと分かっているのに」
む、とした表情でバノンはコリンを見下ろしてきた。
コリンはもう立ち上がる気さえないというのに、まだ立って咄嗟の言い訳を考え出したこのオッサンは本当におかしいと思う。
そもそもずっと前線に立っていたというのに、怪我一つしていないのが異常だった。あの魔物の群れの中で躱して受け止め流している姿は本当に人間なのと疑問を抱きたくもなる。
ーーまあそれも、どうでもいいや。
「ところで、さ……」
「うむ、承知している」
コリンが進言するよりも早く、バノンが振り向きざまに剣を抜き放ち、そのまま一閃した。
「ガハッ!!」
ドガアァンッと、かなり派手な轟音が響き渡った。
近くで建物を検分していた警備兵及び住人達が、目を白黒させながら吹っ飛んできた物体を凝視していた。
壁にぶち当たり、白眼を剥いて痙攣している者の正体はフーナルだった。
屋敷からこっち、ずっと姿を透明化させて攻撃のチャンスを窺っていたのである。
まぁコリンもバノンもロイドも、最初から居ることには気が付いていたが。バノンが住民を遠ざけたのも、また範囲魔法を使われては流石に堪らないからだ。
「生きてるの?アレ……」
ってか、爆発の余波より煉瓦造りの建物が壊れてるけど、バノンの力は一体何なの?
「むっ?いや、心配には及ばん……ほら、この剣は先程とは違う訓練用の物だ。切れ味が全くないから殺すことなど不可能だ」
「……いっそ斬られた方が良かったんじゃないの?」
絶対あれ、骨がイカれてるはず。下手をすると内臓も損傷しているかもしれない。
「なに、逃げられると厄介だからな。奴は拘束の上、問答無用で王都に送る。極刑は免れないだろうな」
「極刑って……アイツのこと知ってるの?」
「ふむ、数え上げたらキリがないが、私の知っている範囲で多数の窃盗に詐欺、殺人、婦女暴行、誘拐、それから……」
「分かった。大概のことはしてきたんだね」
「そうだ。それ故随分前から手配書が回ってきていてな。……バリーの傘下に入った時はやきもきさせられたが、これでやっと胸がすいた」
倒れたフーナルに恐る恐るといった感じで人が集まってきていた。警備兵がチラチラと目をバノンに向けていた。
「ああ、捕縛して牢に繋いでおいてくれ。普通の拘束具では逃げられる恐れがある。魔封石の物を使用するのだぞ」
「……へぇ、そんな珍しい物持ってるんだ」
魔封石はその名前の通り魔法を封じる石だ。対魔法使い用の道具で、攻撃魔法を無効化する力がある。
だけど製法が難しく、大きな物が作り出せないから魔法も防ぎきれない、中途半端な代物だったはずだ。
帝国で造られる魔法の輝石よりかはまだ簡単らしいが、王国では魔法使いの数が圧倒的に少ない。製造できる数も限りなくゼロに近いと思っていた。
「コリン殿の言う通り、かなり希少な物だな。使い道も少ないから手錠に加工している。それもまだ一つしかないがな」
「それ、僕に言っちゃっていいの?」
「何故に貴殿に黙っている必要がある?」
素朴な疑問が返ってきてコリンは思わず呆気に取られた。
「えーだって……まぁいいや。それで、僕はどうなるのかな?」
コリンは最早、指先一つ動かす気力がない。どうでもよさそうにバノンに尋ねた。
「その前に一つ、聞きたいことがあるか良いか?」
「ん、どーぞ」
「コリン殿はその、ーー変異種なのか?」
「…………当たり。一応聞くけど、どうして分かったの?」
「魔力の多さがロイド殿に近い。最初は倒れた木すら見えていなかったのにあの命中率は異常だ。何か、視力を上げる魔法を使ったのではないか?そのまま魔法を連続で使っていれば誰にでも分かることだろう」
「……せいかーい」
良く見ているなこのオッサン、とは口には出さなかった。
「でも、あれだね。魔法使い、見たことあるの?」
「王都でな。もし今回の非常時であれば魔力が既に枯渇していただろう。だが、コリン殿は私まで助けてくれた。感謝している」
「そりゃどーも。……で?」
「ん?で、とは?」
「いやさっき聞いたじゃん。僕の処遇」
「あぁ。それに対する返答は最初に言ったはずだ。悪いようにはせぬ……とな」
「…………………………はっ?」
「コリン殿。行くあてがないのであれば、警備兵に就職する気はないか?」
バノンの言葉にコリンは混乱する。急に話が飛躍した気がした。
「えっ……ちょっと待ってよ。僕も犯罪者じゃないの?」
「ふむ。貴殿は何かしたかな?」
「えぇいやだって、君を怪我させただろ?」
「私を病院送りにしたのはあそこで伸びている奴だが?」
「それにさっき、君とも勝負したじゃん。ついでに街中でもロイド、だっけ?暴れ回ったじゃん」
「しかし、コリン殿は市民を巻き添えにはしなかったな。常に注意を払っていた様子。それにーー貴殿は最後まで街の者を守りきった。誇れぬか?」
「いやそれは……」
「貴殿はあの時、逃走できる猶予があった。にも関わらずわざわざここまで来て、そうなるまで戦い抜いたのだ。あの愚か者と違い、正々堂々と戦う姿は称賛こそすれ屑と同列に扱うなど言語道断」
「えぇー……」
コリンは思わず口を閉じてしまった。
ここまで絶賛されてしまえば言うのを躊躇ってしまう。でも、魔物との戦闘はともかく、バノンやロイドと勝負したのはそれなりに理由があるのだ。
散々迷った挙げ句、結局は言うことにした。
「……僕、強者と戦うのが好きなんだよね」
「む?」
「勝ち負けなんかどうでもいいんだ。……ただ、全力を出している時だけが生きているって感じがしてさ」
「…………」
「全力を出し切った果てに死ぬのは最高だなーって思って君たちに戦いを挑んだんだよね」
「コリン殿は……死に場所を、求めているのか?」
「…………そうかもね」
バノンの言葉は、コリンですら納得できるほどの的を得た表現だった。
コリンは王国最北端の出だった。それが変異種と気付いてからは誰かに悟られる前に逃亡の日々を送ってきた。とうとう最南端のル・エルゼまで来てしまい、後が無くなっていたから若干自暴自棄になっていた。
「つかぬことを聞くが、コリン殿は幾つなのだ?」
「…………君の倍近くは生きているよー」
バノンが驚愕に目を見開くのを見て、コリンは反対に自嘲気味に笑った。
「ビックリした?敬ってくれてもいいんだよ?」
「……その、何とも言えぬ話し方を改めてくれれば敬意も見せよう」
「ありゃ残念」
バノンの気持ちも分かるが、それは無理な注文だ。
見た目に合わせて口調もずっとこの調子できたのだ。今更変えられるはずがない。
「ところで、まだ立てぬか?何なら担いで運んでやるが」
「うん、遠慮するよ」
年齢がお互い真逆と告白したばかりなのに、見た目オッサンに運ばれるとか絶対嫌だ。
「後で人呼んで担架とかでヨロシク」
遠くからの聞こえてくる騒音が煩い、と思った。もうしばらく寝かせて欲しい、と。
完璧に気絶していたマースが、あと五分と寝惚けた頭で考えていると、続いた破壊音に慌てて目を覚ました。
「あれ?ここって……」
キョロキョロと見回すが、寝起きの思考では理解が追い付かなかった。
何故か森の入り口付近にいる。こんなところで寝こけていたというのか。寝る前の記憶があやふやで、中々思い出せなかった。
森から少し離れたところに大型の犬っぽい獣がいた。全身がベトベトに濡れていて必死に毛づくろいしていた。
そして、マースより森に入ったところに何やら人影らしいのが転がっていた。らしい、と思ったのはそれが余りにも泥で汚れていて、更に闇夜でただ盛り上がった物体にしか見えなかったから一瞬分からなかったのだ。袖から覗く手と髪で辛うじて人に見えた。
それでも、ペッタリと髪が顔に貼り付いてる所為で誰だか分からない。知人かもしれないしそうでないかもしれない。
その、倒れている人影に近付いていく者がいた。よろよろと歩く姿は頼りないが、しゃがんでそっと髪をかき上げている姿は優しさに溢れていた。
優しい手つきで抱き起こすと、その人はゆっくりと立ち上がった。
先程までが嘘のように軽々とした動作だった。取り落とす心配が微塵も感じられない。
誰かを助け起こす姿は、まるで絵物語に出てくる騎士か勇者のようだった。
立ち上がった拍子に、僅かに乱れた頭髪が揺らめく。星の光さえ届かないから白味が強く出ている白金色の髪を見て、ようやくマースは誰だかに思い至った。
「あ、なんだロイドさんか」
口にすると、ロイドは殊更ゆっくりとマースの方に振り返った。
振り返ったのだがーー
「…………マース」
「あ、あれぇロイドさん。どうしたんだいそんなに怖い顔をして」
「テメェ、一度ならず二度までもレティを落としただろ」
言われて唐突に思い出す。気絶する前のことを。
近くにいる犬に襟を咥えられてアクロバティックな動きに翻弄された挙げ句、いきなり放された時、マースは思いっ切り目を回していた。
その拍子に、少女を手放してしまったのだろう。
ロイドがユラリとマースに一歩踏み出した。碧い瞳が鋭くマースを見据えている。
彼から漂うただならぬ殺気に、マースは後退った。
静かに冷気が集まりだす。ロイドの頭上に一本の槍が出現した。
「ちょっ……、ロイドさん、落ち着いてっ!」
「……煩い。黙って受けてろ」
「そんな理不尽なっ!!」
少女を落したマースをオトスと決めていたが、多分に八つ当たりも含まれていた。
ロイド自身が報復したかった、フーナルの無様な叫び声が耳に届いて。
マースの悲鳴を無視して射出した。勿論、木には当たらないように角度を調整するのは忘れなかった。
森の方から地面を抉る凄まじい音と、情けない男の悲鳴が街まで木霊して響いてきた。
目を遣れば暗闇でもハッキリと分かるほどもうもうと土煙が舞い上がっている。
ザワつく周囲を余所に、コリンは呆れた様子で呟いた。
「……何やってるの?あれ?」
「さあ。単にじゃれているだけだろう」
「…………本当、若いって元気でいいね」
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