第5章 伊東甲子太郎の狙い

 ある日、りょうは、養父の良庵から渡された本草学の本を読んでいた。本草学は、薬用となる植物や動物、鉱物などを研究した学問で、特に、薬草について学ぶのに適していた。しかし本の中身は難解で、理解できないところもあった。山崎を探したが、今日は職務で外出しており、留守だった。りょうが廊下でため息をついていると、伊東甲子太郎が向こうから歩いてきた。

「君が新しく入った、玉置良蔵くんか?」

伊東は優しげに声をかけた。

「は、はい!よ、よろしくお願いします!」

緊張から思わず、大きな声になった。伊東は笑って、

「そんなに緊張しなくてもいい。私は参謀の伊東だ。名前くらいは聞いているかな?」

と言った。りょうは、藤堂から、伊東の話を聞いていた。元々、藤堂は伊東の同門で、伊東に、新選組に加わってほしいと声をかけたのも、藤堂だった。伊東は北辰一刀流の免許皆伝で頭脳明晰。局長の近藤にも大いに期待されて、参謀役についたのだが、その思想は『尊皇攘夷』であった。新選組の方向とは異なるため、最近では、伊東の信奉者たちが集まり、分離を画策しているという噂もあった。

「何をしているのだね?勉強か?私でわかることなら、教えてあげよう」

と、伊東はりょうの持っていた本をのぞき込んで言った。

「お、お願いします。僕には難しくて……」

りょうは本を広げ、いくつも質問をした。伊東は、思ったよりも優しく、本の中身について丁寧に教えてくれた。博識であった。

「伊東先生、ありがとうございました」

「君は、土方くんの小姓をしているそうだね。怪我の手当ても上手いと聞いているよ」

「ありがとうございます」

沖田と井上が、仲良く話している二人を見た。

(へえ、伊東先生も、りょうには無警戒なんだな)

と、沖田は思った。伊東が、

「君は頭が良い。君のような若者は、ちゃんと勉学に励み、未来を見据えないといけない。私のところには、君より少し年上だが、若者たちが来て学んでいるよ。君も一度来てみるといい……」

と言った。

「僕はまだ新選組に入ったばかりなので、しなければならないことがたくさんあって、とてもそこまでは……」

とりょうが答えると、伊東は、

「そうだね。君はこれからだ。本草学を勉強して、医者になるのかね?」

と聞いた。りょうは答えた。

「僕は、武士になります。これは、戦場で薬を調達するのに役立つからと、養父が」

伊東は、りょうを微笑んで見ていた。

「そうか。良い父上だね。また、聞きたいことがあったら、いつでも来なさい」

「はい」

そんな伊東とりょうの会話を見ていた者が、もう一人いた。歳三である。歳三は落ち着かなかった。楽しそうな顔をしているりょうにイラついていた。ついに、

「良蔵!なにをしている。稽古の時間だぞ!」

と大きな声を出した。りょうは一瞬驚いて声のする方を見たが、伊東に会釈して、何もなかったように部屋に戻った。その様子を沖田と井上が見ており、

「歳さんは、若い隊士に伊東さんが近づくのを警戒しているようだね。『尊皇攘夷』思想を吹き込まれやしないかと」

と井上が言った。すると、沖田は、

「いや、源さん、あれは単なる、『焼きもち』ですよ」

と言った。

「歳さんが?まさか、子供じゃないんだから」

と井上が言うと、

「土方さんは時々、子供より子供っぽいところがありますからねぇ……」

と沖田が真面目な顔をして言ったので、井上も頷いた。二人は顔を見合わせて笑った。


 「おめぇ、ずいぶん伊東と仲良しじゃねぇか」

歳三が聞いた。明らかに、気に入らない、という顔だ。りょうは知らん顔で、

「解らないところを教えていただいただけです。伊東先生は頭がいいので」

と答えた。歳三はムッとして言った。

「悪かったな、俺が馬鹿で。どうせ俺は百姓の出だ。伊東のように勉強してねえよ」

「そんなこと言ってません!百姓かどうかは、関係ないでしょう!」

りょうが正論を言ったので、歳三は一瞬言葉に詰まった。気を取り直し、

「伊東にあまり近づくんじゃねぇ。何を吹き込まれるか、解ったもんじゃねぇからな」

と、厳しい口調で言った。大抵の隊士は、この一言で承知する。が、ダメと言われると、反発したくなるのが、りょうの性格だった。

「誰でも彼でも悪い人にしてしまうんですね、土方先生は」

「何を?」

歳三がにらんだ。もう、この顔にも慣れてきたりょうは、重ねて言う。

「いつもいつも、そんなおっかない顔して話すから、みんな安心して話せないんですよ!もう少し伊東先生みたいに優しく話してくださればいいのに。稽古行ってきます!」

りょうは歳三に一礼してスタスタと道場に行ってしまった。

「すっげぇ。また副長にすごいこと言ったよ、良蔵」

「あいつは伊東先生のお気に入りになるかもな」

平隊士たちがひそひそ話をしていると、襖がガラッと開いて、

「おめぇたち、今日の死番にしてほしければ、代えてやってもいいんだぞ」

と鬼の一声が。隊士たちはあわてて逃げた。歳三は机の前に座り直し、書き物を始めた。だが、筆は進まない。

(ばかやろう。伊東の優しさの裏に何があるか、ガキのおめぇにわかるか!だから今は入隊させたくなかったんだ。伊東め、あいつに何を吹き込むつもりだ……!)

歳三は、書き物していた紙を丸めて、思い切り投げつけた。


 それから一月ほどは、伊東の行動には、特に目だったところはなかった。時々りょうの勉強を見たりするが、仲間に入れる訳でもなく、思想を説くようでもない。


 その間、こんな出来事があった。夜おそく、歳三が仕事から戻った。謀反の疑いのある幕臣を捕縛するために幕府陸軍奉行の名代が行くので、それを護衛するという役割であった。元は陸軍奉行が直々に赴く予定で、近藤がその護衛の中心となるはずであった。しかし、出てくるのが下級役人ということで、近藤が行くまでもない、と歳三が代わりを命じられたのだ。

「あっちも代理なら、こっちも代理か」

と出掛けるときは不満たらたらの歳三であったが、一転、機嫌良く、屯所に戻ってきた。

「おかえりなさいませ」

と、りょうは歳三を迎えに出た。りょうの顔をまじまじと見ていた歳三だったが、突然、プッと吹き出し、笑い出した。りょうが呆気にとられていると、

「いや、そうか、だからやつに初めて会った気がしなかったのか。はははは……」

と笑いながら部屋に消えた。不満なのはりょうの方である。

「なんだ、あれ!人の顔を見て笑うなんて、失礼にもほどがある!ねぇ、藤堂さん!」

と、歳三のあとから入ってきた藤堂に、りょうは不満をぶつけた。すると藤堂は、

「なんかさ、土方さん、名代でやってきた幕臣と、妙に仲良くなっちゃってさ。行く前は、あんなに不機嫌な顔していたのに、帰りはニコニコなんだぜ」

と言った。あの歳三と気が合うなんて、どんな幕臣なんだ?とりょうも興味をもった。すると、同じく歳三に従っていた沖田が入ってきた。沖田や藤堂が護衛に付かねばならないくらい、危険な職務だったのだろうか?それにしては、あまり隊服も汚れていない。

「捕縛するのは簡単だったよ。相手はおとなしかったし」

と沖田は言った。そして不思議そうな顔をするりょうに向かって、微笑みながら語った。

「その幕臣、自分は元は武州の百姓で、一橋家に奉公するようになったと思ったら、あれよあれよと幕臣になってしまったんだ、と言うんだ。土方さんも、多摩の百姓だったからと、気が合ってしまったらしいよ。でも、それだけじゃないんだ、なぁ、平助」

と沖田は、藤堂に話を振った。藤堂も受けて、

「そう。その幕臣がさ、土方さんの言うことに、いちいち逆らって、理屈をこねるんだ。安全のために、こっちが捕縛した相手を尋問しろと勧めているのに、いや、罪人と決めるのは尋問してからだ。その前に縄をかけるのはおかしい、とかぬかしやがって。捕縛する相手が剣の心得があったらどうする?って土方さんが言うと、自分だって剣は使える、とか反抗するし。そうだろ?総司」

と答えてニヤニヤした。

「それが、なんでそんなにおかしいの?」

りょうが聞いた。歳三の言うことにそんなに反抗するなんて、墓穴をほるだけじゃないか、と思ったのだ。沖田はクックッ、と笑いを噛み殺しながら言った。

「その幕臣の様子がさ、誰かさんとそっくりだったんだよ。いつもいつも土方さんに反抗する誰かさんに。しまいには土方さんも、『貴殿とは初めて会ったような気がしない。俺はこのやりとりには馴れている気がする』だってさ」

沖田と藤堂は、声をあげて笑った。

「なんだよそれ!僕のことじゃないか!!」

りょうはふくれた。でも、歳三が笑うのを初めて見たりょうは、なんとなく嬉しさを感じていた。

「その幕臣、まだ若いのに、爺くさい名前なんだぜ。『とくだゆう』とかいったな」

藤堂が言うと、沖田が答えた。

「確か、『渋沢篤太夫とくだゆう』という名だと聞いたよ」

近代日本の資本主義を作った、渋沢栄一の幕臣時代の名であった。後年、渋沢は、家族にこう語ったという。

『土方歳三さんは、私の友達だよ』


 楽しそうな三人のやりとりを、遠くから見ていた男がいた。伊東一派の一人、篠原泰之進であった。篠原は、伊東に幕臣捕縛のことを話した。伊東は、

「その者は、ただ徳川慶喜の将軍就任に異を唱える、幕府内部の一派であろう。我らを後押しする組織とは異なる。我らのことが外部に漏れる心配はない」

と答えた。

「では、我々はこのまま活動を進めて良いのですな、伊東先生」

と、篠原が聞くと、伊東は頷いた。

「我々の後ろにいるのは、もっと大きなものだ。我々の思想を認め、力を貸してくださる。我らの目的は、この新選組を勤皇の軍の魁とすることだ」

「そのためには、現在の頭をすげ替える必要があるわけですな」

篠原が言った。

「このままでは新選組は、当初の目的を忘れ、幕府の番犬に成り下がるだけだ。私は何度も、近藤に幕府と密着することをやめるように進言したが、近藤は聞き入れなかった。土方とて同じ。この二人が新選組を牛耳っている限り、新選組に未来はない」

伊東は新選組を変えるためには、近藤と歳三を、新選組から排除する必要がある、と仲間に話していた。篠原はそのためには過激な行動もやむ無し、と考えていたが、伊東は、過激な行動は反抗分子を生む、とそれには消極的だった。伊東は、新選組幹部たちを仲間に取り込む策を進めていた。師走になると、伊東は隊士の何人かを連れて、島原で酒宴を何度も設けるようになった。そこに呼ばれていたのが、永倉、藤堂、斎藤の三人であった。その上旬、徳川慶喜が第十五代将軍に就任した。


 だが、年の暮れも押し迫った頃、もっと大きな事件が起きた。病から回復しているといわれていた、孝明天皇が崩御されたのである。これには、様々な憶測が飛んだ。長州の仕業ともいわれたが、決定的な証拠が出たわけではなかった。だが、これにより、徳川慶喜と会津藩は、大きな後ろ盾を無くした。倒幕派にとって、孝明天皇の信任が厚い松平容保や徳川慶喜を表だって攻撃することは、自らが朝敵となる恐れがあった。しかし、徳川慶喜が将軍になることにより、倒幕そのものが慶喜を倒すことになり、同時に慶喜が京都守護職に推した松平容保と会津藩を倒すための大義名分ともなった。孝明天皇の死により天皇の代替わりが行われたことは、新しい勢力の台頭を窺わせるものだった。


 年も明け、春になった。

「『御陵衛士』になるのですか?僕が?」

と、りょうは聞いた。目の前にいるのは、伊東や篠原であった。このとき、近藤や歳三は会津藩に呼ばれて、屯所にいなかった。

「我々は山陵奉行、戸田大和守様配下の御陵衛士を拝命し、新選組本隊と分離することになったのだ。もちろん、局長や副長もご承知の上だ」

と言ったのは篠原だ。

「君はまだ若い。ここを離れる必要はないよ」

伊東にそう言われて、りょうは少しほっとした。歳三の側を離れることなんて、考えられなかったのだ。だが、伊東は、

「我々はここを離れて、いったん、五条善立寺に移る。これは内密の話だが、長州や薩摩の同行を探るための公務なので、新選組本隊と同じ屯所ではまずいのだ。だが連絡を取り合うことは必要だ。君に頼みたいのは、我らと局長や副長との連絡だ。大人の隊士が行き来するのは目立つが、常に副長の側にいる君なら、目立たずに連絡がとれる」

と言った。その目は、りょうを信頼しているようにも見えた。

「はあ……」

りょうは、伊東の言う意味が良くわからなかったので、あいまいな答え方をした。

「なんだ、その返事は。お前には、国を憂える我らの信条がわからぬのか?」

と、篠原が大きな声を出したので、伊東が篠原を制した。

「すまないね。篠原くんも同志だ。これからの国の行く末を心配している。薩長が力をつけてきている今、新選組がこのまま徳川幕府のもとでいれば、攻撃の的になるのは明らかだ。そうなれば、局長や副長の立場は危うい。君だって、土方先生を危険な立場にはさせたくないだろう?我々はそうならないように、新選組を変えていきたいのだ。そのための協力をしてくれるね?」

伊東の話には説得力があった。いつもいつも自分を叱ってばかりいる歳三に比べ、伊東はりょうの努力を認め、誉めてくれる。りょうの気持ちが傾きかけた、その時だ。

「伊東先生、いくらなんでも、良蔵はダメですよ。まだガキなんだから。良蔵、土方さんが戻っているぞ。行かないと叱られるぞ!」

それを聞いたりょうは、あわてて戻っていった。りょうの後ろ姿を見ながら、藤堂は思った。

(伊東先生の弁舌にかかったら、良蔵なんてイチコロだ。僕だって、ホントは新選組から抜けたくないんだ!)

篠原は、藤堂の姿を見ると、いまいましそうに舌打ちをして去った。伊東も藤堂を見つめたが、何も言わず部屋に戻った。


 藤堂が御陵衛士に加わるのは、ただ責任感だけだった。自分が伊東を新選組に推薦したという負い目が、彼を伊東と共に行動させたにすぎない。

(山南さんが切腹したのも、伊東先生が原因ではないか……?それなら僕が責任を取らなければ……!)

と、藤堂は思っていた。初期の新選組で歳三と共に副長を務めた山南だったが、藤堂が江戸下行していた時期に、切腹して果てた。藤堂が伊東を誘ったのは、伊東の博識が、武骨な浪士集団の新選組を変えると信じたからだった。同じような考えを持つ山南は、新選組内では浮いた存在となっていたが、伊東が入れば、山南を助けることになるだろうと思ったのだ。だが、自分のいない間に何があったのか、山南は死んでしまった。藤堂にとって、いや、沖田にも他の隊士にも、山南は兄のような存在だった。歳三が命じ、沖田が介錯したということを伊東から聞いた藤堂には、疑問しか残らなかった。伊東に新選組の危うさを説かれるうち、考えに同調するようになったのだ。


 今は、それが伊東の狙いだったことがわかる。それに気づいた永倉は、伊東の誘いを断った。自分は断ることはできなかった。これ以上、伊東の犠牲者を出したくない。伊東の狙いが歳三の小姓に向けられたのに気づいた藤堂は、りょうを伊東から離さなければ、と決めた。


 慶応3(1867)年、3月下旬、御陵衛士として出立する前夜、藤堂がりょうのところに来た。

「良蔵、ちょっといいか?」

二人で西本願寺の境内に出た。桜がおびただしく散っていた。もう、葉桜になっているところもあった。

「あ~あ、忙しくて、また桜を見逃しちまったよ」

藤堂は、つまらなさそうに言った。

「御陵衛士だって、会うことはできるでしょ?来年はお花見しようよ、藤堂さん」

りょうは、またすぐに藤堂に会えると思い込んでいた。後ろから来た斎藤が言った。

「衛士と新選組が、交流できるはずないだろう。甘いぞ、良蔵!」

りょうは驚いて斎藤と藤堂を見た。

「本当なの?藤堂さん」

りょうが聞くと、藤堂は、

「良蔵はまだ子供だもの。知らなくて当然だよ。むしろ、知らない方がいいさ」

と笑ったが、その笑顔はどこか悲しげであった。

「でも、やっぱり来年の桜は見たいな。その時は、内緒で堀川の河原で待ち合わせしようぜ、良蔵。な、斎藤くん」

藤堂が言った。斎藤はそれには答えず、

「明日が早いから、失礼する。藤堂、こんなところを見とがめられたら厄介だ。良蔵も早く行け」

と自分の部屋に戻った。

「斎藤先生、なんか、変わっちゃったなぁ。以前はもっと話してくれる人だったのに」

とりょうが呟いた。すると藤堂が、

「大人は変わるもんさ。いいなぁ、良蔵はまだガキだから変わらなくて」

とりょうをからかった。

「僕はもうガキじゃないよっ!15歳になったんだから!」

と、りょうが藤堂に言い放つと、藤堂は、

「15歳かぁ。ぼくが近藤さんちにいついた頃だな。あの頃は楽しかったなぁ……」

と、昔を懐かしむような、悲しむような、遠い目をして、夜空を見上げた。りょうはなぜか心配になった。

「良蔵、頼みがある。土方さんから、離れないでくれ」

急に真面目になった藤堂に、りょうは目を丸くした。

「ど、どうしたの?藤堂さん。僕はいつも土方先生に怒られてばかりで、近寄るのも嫌な時があるのに」

藤堂は、りょうの愚痴に微笑んだが、もう一度言った。

「土方さんを、一人にしちゃダメだ。誰かがこっちに引っ張ってないと、あの人は死神にとりつかれるよ」

その言葉に、りょうは藤堂を見つめた。いつもの藤堂とは違う。

「何を……言ってるのか、わからないよ。藤堂さん、どうしたの?ねぇ、なんで新選組から出ていくの?藤堂さん、なんでそんなに悲しそうなの?」

りょうは藤堂の肩をつかんだ。藤堂は、思い直したように、

「ごめん、なんでもないよ。さあ、僕も明日早いから寝よう。じゃあ、元気でいろよ、良蔵」

と、いつもの明るい藤堂に戻り、笑って手を振った。その姿が屯所の中に消えるのを見送ると、りょうは空を見上げた。星がひとつも出ていない、嫌な風が吹いている夜であった。


 篠原の部屋に若い隊士が呼ばれた。伊東の信奉者の一人だが、今回の分離予定者には入っていない者だった。

「あの小姓を調べろ。親は医者だそうだ。あれは、土方の泣き所だ。土方の弱みが掴めれば、薩摩の信用も得られる。手段は選ばない……伊東先生は、少し甘すぎる……」


 伊東甲子太郎以下、十二人が新選組から分離した。藤堂と翌年の桜を見ることはなかった。


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