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耳の後ろで鼻をすする音がする、鼻水垂らさないでよね。


緊張していた私の気持ちもふっとほぐれて、ギュッと力の入っていた肩を降ろす。




佐藤のふわふわとした赤髪をゆるりと撫でてから、背中をポンポンと優しく叩く。


それに応えるように、私の首に巻き付いた腕にギュッと力が入れられて……ちょっと苦しいよ佐藤、殺さないでね。




理事長と目が合うと、柔らかい笑みを返してくれたので、こちらは困ったような笑みを返した。


この状況、絶対後で恥ずかしい思いするね、佐藤。


一緒だからいいよね。


ねぇ、佐藤。




「佐藤が時々沈んだ顔してたのって、このこと?」


「……蜜の、見舞い……たまに行ってる、から」


「……嫌だったらいいけど、私も今度一緒に連れてってよ」


「和香が……?」




腕の力を抜いて起き上がった佐藤が顔を見せると、目も鼻の頭も赤くなっていて、私はクスリと笑ってしまった。


いいよ、もっと好きなだけ、今まで我慢してきた分、みんな受け止めるよ。


ぽんぽんと、また佐藤の頭を撫でる。




「その蜜ちゃんに、私たちを合わせようとしてたんでしょう?妹の為に友達を作ってたってことは。じゃあ、先に私が会ってもいいんじゃないかと思って」

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