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でもね、佐藤の苦しみをほぐして、はんぶんこにして受け止めるくらいの余裕は持ってるつもりだよ。


怠惰だったから、そんな余裕は持て余してるの。




私も少し怖いけど、佐藤がいるなら怖くない。


それに鞠と緑だっている。


佐藤が二人に自分のことを話したがらなくても、私は鞠と緑にも寄りかかれるの。




「ビビってないでちゃっちゃと縋りに来てよ。何が怖いの?罪悪感でもあるの?」


「……和香の、負担になるから」


「へたれ」


「へっ……!?」


「私が、いいって言ってる。それ以上に必要なことなんてある?」




借金してるわけでもあるまいし、例えそうだとしてもこの理事長が放っておくはずがないだろう。


コネで大学に入らせたような人なんだから。


ただ、佐藤の勇気がないだけなら、それだけなら問題ない。




「私が、佐藤に頼ってほしいの。ここまで話したのにそれでおしまいなんて、そんなのないでしょう?」


「のどか……」


「来るの?来ないの?」




珍しく真剣に、真っ直ぐと佐藤に瞳を向ける私を見て、彼は一瞬、泣きそうな顔を見せて。


それから、私の腕の中へと飛び込んできた。


それでいいのよ、ばぁか。

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