初恋の魔力

暫く経つと、私達は皆、美紗の事を好きになっていた。


上品な態度と、愛くるしい白い顔は今まで会った同級生達とは違って私達を虜にした。


美紗の体が弱かったためもあるのだろう。私達は虐めて追い払うこともしなかった。


やはり恋というのは不思議な物で、チャンバラも相撲も美紗に褒めてほしくて、皆頑張るようになった。


そのためか、一年も二年も経つと、私達はそこいらの悪ガキ共が目じゃない位強くなった。


自分達寄りも小さな子を野犬から守ってやったり、威張る上級生を泣かせたりと好き勝手英雄ぶって回ったものだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る