少年の不安

10歳になった時だった。


美紗の事を一番初めに好きだと言い出したのはかっちゃんだった。


皆はそれを聞いて、赤くなったり青くなったりとそわそわしていた。


皆が皆美紗への思いは暗黙の了解で、告白等到底頭に無かったのだ。


かっちゃんは決意の表明と牽制のために私達に告げたのだろう。


次の日誰も文句など言えず、かっちゃんに協力するために口裏を合わせ、

皆ちりじりに早めに帰ることにしたのだ。


その日もやもやとした気分の悪さが胸に競り上がって来て、私は家に帰ってふて寝していた。


(もしあの二人が両思いだったら・・・。かっちゃんは美紗を抱きしめたのだろうか・・・?)


次の日かっちゃんは結果を言ってこなかったし、私も聞く事が怖くて、

私は暫く川原に行くことを避けようと思った。





美紗の顔を見るのも、かっちゃんと美紗が一緒にいる事を考えるのも今は嫌だった。


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