少年の不安
10歳になった時だった。
美紗の事を一番初めに好きだと言い出したのはかっちゃんだった。
皆はそれを聞いて、赤くなったり青くなったりとそわそわしていた。
皆が皆美紗への思いは暗黙の了解で、告白等到底頭に無かったのだ。
かっちゃんは決意の表明と牽制のために私達に告げたのだろう。
次の日誰も文句など言えず、かっちゃんに協力するために口裏を合わせ、
皆ちりじりに早めに帰ることにしたのだ。
その日もやもやとした気分の悪さが胸に競り上がって来て、私は家に帰ってふて寝していた。
(もしあの二人が両思いだったら・・・。かっちゃんは美紗を抱きしめたのだろうか・・・?)
次の日かっちゃんは結果を言ってこなかったし、私も聞く事が怖くて、
私は暫く川原に行くことを避けようと思った。
美紗の顔を見るのも、かっちゃんと美紗が一緒にいる事を考えるのも今は嫌だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます