桃色の華

次の日私達はまたしても川原で遊んでいた。


いつもと違うのは、大きな石の上に座って美紗が私達が遊ぶのを見つめているだけだ。


私達は愛らしい女の子がこちらを見つめている事に幾分か緊張していたが、いつもより一生懸命チャンバラをして、相撲も取った。


いつもなら参加しないやすしとえーちゃんとキッチでさえも泥んこになるのなど構わずに相撲に参加している。


私はこの日初めて相撲でヒロべぇに勝った。


帰る頃には皆して必死になったため、いつも以上に泥んこになっていた。


いつも通り一列になってぞろぞろと帰っているが、皆そわそわと落ち着かない。


桃色の着物を着た愛らしい少女は、皆にとっても眩しいらしい。


この日から、泥んこの少年達の中に、小綺麗な恰好をした少女の姿が混じるようになった。


美紗はこの頃から、体が弱く、私達と遊ぶ事は出来なかったのだ。





私と美紗は家が近かったため、帰りはいつも最後まで一緒にいた。




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