女の子

「あなたチャンバラが強いのね。」


一度こぶしを握り締めて頭を揺らしたかと思うと、少女はいきなり顔を上げ、にこりとこちらを見て笑った。


学校で見る少女達とはまた違う白い顔に、私の胸が飛び跳ねた。


それと同時に、褒められた嬉しさがじわじわと上ってきて、そっぽを向いて「まあね。」とだけ言った。


「私、失礼なことを言ってしまったかしら?」


私が会った事のないような上品な喋り方だった。


不安げな顔が愛らしい。こんなに恥ずかしいのは初めてだった。


「いや別に・・・。」と素気なく言って、顔の火照りが消えるのを待った。


少し落ち着くと、女の子の方に振り返る。


「名前は何ていうの?」と尋ねると、女の子は頬に手を当てながら大きな目を下に向けていた。


「美紗。」と小さな声が聞こえる。




ぷっくりした白い頬が薄紅色に染まるのが可愛らしくて、私はまた目を逸らした。


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