第72話 脳の欠陥
脳ドッグのMRI検査結果が送られてきた。
異常なしとの通知でホッとしたところに、所長が暗い顔で現れた。
「俺よ MRIひっかがたんだず...」
「うそ~ 何が自覚症状でもあるんだがや?」
「なにもないげんとよ 精密検査 すらんなねんだど...」
「なんだ まだわがらねんだで~ 精密検査すっど なんとも無いて 言われるんだがら 心配すねで」
慰めてはみたものの、所長は既に重病人の顔をしており、ずいぶん落ち込んだ様子である。
「ほだえ考えだて わがらねんだがら 赤塚さんにきいでみっべ」
「んだが...」
健康管理室に出向き看護師の赤塚女史に詳しいことを聞くことにした。
「所長 どうしましたか」
「MRIなんだげんと なに悪くて 再検査になたのや?」
「それはハッキリ分かりませんが、精密検査をするようにとのことですね」
「どだな検査するんだっす?」
「えーと 脳の血管に造影剤を・・・・」
「エ~ッ 脳の欠陥!! やっぱりオレの脳はダメなんだどれ...」
何を勘違いしたのか、所長はますます落ち込んでしまった。
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