詩「ぼくのかたまり」

有原野分

ぼくのかたまり

眠り続ける

笑い声の横で

眠り続ける

ぼくの耳の穴から

 水

が蒸発するように

肉体が抜け出して

消えていった

大晦日

残ったものは

  魂

と呼ばれている

仮宿の肉体で

笑い続けていた

こたつの中の

眠り続けていた

   カタマリ

転がり込むような

新しい太陽の

冷たいまぶしさ

元旦

肉体が消えたことによって目を覚ました

ぼく は

ぼく の

人生を

果たして

蒸発することなく

眠り続けることが

できるのだろうか

もしくは

いや

もしかしたら

案外

その

それが

そうだ

使命なのかもしれない

と 。

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詩「ぼくのかたまり」 有原野分 @yujiarihara

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