#14 疑念、そして決裂


「告白してもらってOKしたけど」

大森タローはそう言った。


そうだ、あの日カオリは確かに「タローくんに告白する!」と言っていた。

なのにその日の夜LINEで「タローくんに告白されて付き合うことになったんだー」と逆のことを言っていた。


カオリは「お前がバラしたんだろって疑われて」「それで物凄く怒っちゃって怒鳴られたの」と言っていたのに

大森タローは「初めて彼女出来て周りに騒がれるのなれてないから、あまり言いふらさないでねってお願いしただけだよね?」と言っている。


話が噛み合わないとか、勘違いのレベルじゃ済まないことばかり浮かび出てきている。


大森タローとカオリ、二人の態度を見ていると、カオリが言っていたことをどうにも信じきれなくなっていた。


あれだけ自分の正義を信じ、声を張り上げてたのに、その根幹がグダグダなのに今更気が付いたのだ。




もしかして私はとんでもない間違いをしていたのかもしれないと罪悪感に怯えながら、帰り道彼女に問いかけた。



『カオリ、本当は怒鳴られてないの? 告白したのもカオリからだよね?』


「酷いよアキちゃん!わたし嘘なんてついていないもん!」


『でも・・・』


「アキちゃんのこと友達だって思ってたのに、もういい!」


そう言ってカオリは走り去ってしまった。



その日の夜、LINEで私はブロックされた。


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