第17話 雑用も大変

ほとんどの子供たちは、雑用をして、小銭を稼いでる。

この辺りは他に比べたら、平和で、貧しくもない地域の為、ギルドでも、定期的に、子供たちが集まり、雑用の募集に集まる。

「イルミ、何する?」

「皿洗いはまだ怖いから…排水溝の掃除に行こうかな。」

「あっ!いいかも!ならさ、用水路の掃除の終わったら、パプトアの収穫に行こうよ。」

「いいね!」

小銭を稼ぐ子供たちは必死である。

ちなみに、我が兄である京介は、持ち前の手先の器用さが功を奏したのか、母の鑑定によれば、京介に、鍛冶の表記がついていたようで、本人は、大興奮。

絶対、ドワーフの鍛冶の弟子になるのだと、今現在、目をつけているドワーフの鍛冶師を口説いている。

雛弥は、リンダと共に町にある料理屋の皿洗いの手伝いに参加する予定。

「イルミ隊長、向かうでありんす!」

「うむ。行くぞ!コータ副隊長!」

用水路の掃除に向かう。


生活に欠かせない用水路は、定期的に掃除をする。

貸し出された道具を持ち、子供たちは、いそいそと、落ちてる葉っぱや詰りを、取り除く。

町の掃除に欠かせないのが、スライムだ。

スライムは雑食であり、魔物であるものの、滅多に人を襲わないし、力も、子供でも勝てるので、安全性から、古くから、町に住み着いてる彼らと共生しながら、生きている。

スライムの色は多様で、緑だったり、紫だったり、色鮮やか。

スライムが口を開いて待ってるので、取ったゴミを入れる。シュワと体内で消化してるそうだ。

見た目もなんだか、可愛らしい。

スライムをペットにする家庭もあるのだそうだ。

子供たちにもスライムは、大人気で、先ず、感触がいいこと。

比較的に、気性が穏やかなことに加え、仕事でも組む良きパートナー。

「コータのほっぺたもスライムと同じ。」

「えー!」

弾力性のあるスライムと自分のほっぺたが同じだと言われ、なんとなく、複雑。

スライムはお利口で、好きだけども。

あと、ワキワキ、手をやってる他の子供たち!見えてるから!


用水路の掃除が終わり、パプトアの収穫の手伝い。パプトアとは木になる実で、大振りな赤い果物で、見た目はドラコンフルーツに似ていて、中身は、メロンみたいに甘い果実。

長い木の棒で、パプトアを落とすのだ。

落としたとしても、割れない。

子供たちは、木の棒で、実の木を叩く。

ボコッと地面に、落ちたのを、手分けして、かごの中に入れていく。

この依頼を出したのは、宿屋の店主だ。

デザートに出したいらしい。ここら辺の甘味は、果実が多い。

「ネックなのは、重たいよね!」

パプトアは確かに甘くて美味しい果物であるが、何分、実が詰まっている分、重たい。

力に自身のある子供たちが、パプトア運びに、最適。

煌太もイルミも、少しばかりだが、背負って、歩く。子泣きジジイを背負ったみたいだ。


本日の雑務の報償金は、用水路の掃除で、銅150枚、パプトアの収穫は銅500枚。

この世界では、金、銀、銅で、お金が別れていて、最もポピュラーな小銭は、銅。

庶民は、銅を主に通貨として、利用していて、銀は、ちょっとした子金持ち。金など、滅多に見ない紙幣だ。

銅の150枚は、大体、150円で、銅の500枚は、大体500円。

今回は範囲が狭かったことと、収穫量が、少なめだったのが、敗因だ。

もうちょい慣れたら、もっと頑張りたい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る