第4話 ある一人の若手君

 まあ、よくある話だが年齢なんて関係ない。

アラサー広場と言っても、みんな本当かどうかなんてわからないネットの世界あるあるだった。


 その若手君は本当に若かったみたいで、ギリアラサーってとことがいいくらいだった。

その若手君はちょっとアバターがキモイというのが正直なところで、下ネタもバシバシ言うお下品ヤローで元気一杯といったところだろうか。


 ある日、話していて共通の話題が出来た。

ネイルアーチストだと言うのだ。私も自宅で個人で友人や妹やらに施術をしていたりしていたのだ。

 その若手君は個人で各家庭にトランクケースを持って予約が入ると出向くという形をとっていた。もちろんきちんと資格もある。

それは、会話の中でさすがだなーと感じるプロならではの知識があったので納得できたのだ。

私はそのサイトのブログにネイルの写真を載せていたので見てもらったところ、

「自分の独学でこれだけ出来てれば十分だな。資格とってこいよ。」

そう言われたが、肝心のモデルになってくれる相手は妹くらいしかいなかった。親友はもう結婚して主婦で子育て中。

ムリムリ。面倒くさい。お金かかるし。肝心のモデルになってくれそうな妹の爪はモデルには向かないときたもんだ。

ということで、すんなり資格は諦めて個人で楽しむ趣味になった。


 その若手君はさすがに練習したりしているようで、

ああ、プロだなあ・・・と感じていた。


面白いのは特定の彼女がいないのだ。出会いはあるだろうに。

まあそこそこ遊んではいるようで、若いなあと実感していた。


 ある日のことだ、その若手君が親の仕事を手伝うことになったというのだ。親御さんは自営業だ。まったく違う仕事になる。


 そこからだろうか、何かその若手君が無理をしていると感じるようになったのは。



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