第2話 ぴかっ

すみません、まぶしすぎて何も見えません。

光も大きすぎては毒なのですね。

僕の姿が見えないではありませんか。

見えるのは暗い背に伸びる僕なのです。

この僕を愛でていこうとしましょう。

さて、あなたに近づけるでしょうか。

笑顔にひかる白い歯や滴る汗に嫉妬してはいませんでした。ええ、本当です。

では、この感情は何でしょうか。

何というのでしょうか、こう、言葉なんかでは言い表せないほどの嘆きでしょうか。

ああ、血の雨です。血の海です。そこらに転がる肉片です。

心の臓は脈打って、組織の一つひとつは打っては跳ねての繰り返し。

ころころ転がる目の玉も、服が破れたるように見えないみたい。

そうです、そうです、骨の折れる鈍い音。

いたたまれないほどに心地がいい。

 

ふふふ、僕がよく見える。

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