第38話 海外では慎重に「ミッドナイト・エクスプレス」

 \「ミッドナイト・エクスプレス」とは脱獄の隠語、とのことです。文字通り、脱獄する映画です。1978年、アメリカ作品、実話ベースというから怖い。


 アメリカ人青年ビリーはトルコに旅して、麻薬所持で捕まり懲役4年の刑に。

 婚約者が訪ねてきたところ、ビリーは脱げと命じ、あらわな胸を見ながら自慰をする、気持ちわからないでもないけど露骨。彼女は泣きながら「絶対にことを出て」と訴える。私、まだ純情な頃で、かなりショックでした。


 刑務所には女性がいない、どうしても受刑者同士で、となると聞きますが、ビリーもご多分に漏れず、受刑者の一人とアヤシイ関係に。腹筋をしながら熱く見つめあう、これは。と思ったら、一緒にシャワーを浴びながら絡み合うシーンは、なかなか切ないものがありました。やがて、このお相手も出所していきます。


 刑期明けまであと1年と迫った頃、なぜかビリーの刑期は30年に伸びてしまい、ついに脱獄を決意しますが、そばには、ねちねちと彼痛ぶる看守がいます。ある夜、脱獄の気配を察したのかどうか、恐ろしいセリフを吐くのです。

「おまえを犯してやる」

 迫る大柄の看守、小柄なビリーに勝ち目はない、ギャー!

 と、偶然、あることが起こり、看守は自滅、ビリーはボートで脱獄を成功させます。

 看守のあのセリフ、本当に恐怖なのですが、あれは脚色だそうで、なんた、と思ったけど、人が死ぬわけだから、事実でも困るような。


 とにかく海外旅行ではヘンなものに手を出すな、という教訓を示す映画でございました。

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