第37話 ピーター降臨「薔薇の葬列」
禁じ手かもしれませんが、未見の映画について触れます。1969年の実験的映画「薔薇の葬列」です。とても見たかったけどチャンスがなくて。
15話の「男色」の作者、水上勉先生が六本木で発見したのが、主演を務めたピーター(池端慎之介)、当時16歳とか、衝撃的なデヴューでした。映画を見た人は少ないと思われますが、その中性的な美貌で注目され歌もヒット、今も活躍されてますね。
衝撃的な設定です。実の父と息子がベッドインしてしまうのです。知らなかったこととはいえ、とんでもないですね。
67年の映画「アポロンの地獄」がベースといいますが、これは私、見ています。「テオレマ」を撮ったパゾリーニ作品です。父を殺し、母と交わる、ギリシャ悲劇の「オイディプス王」がベース。
「薔薇の葬列」は新宿のテイバーが舞台、ピーター扮する売れっ子エディは経営者の権田と親密に。バーのママは嫉妬し、エディを排除しようとするが逆に、と言った感じです。
しかし、息子と寝てしまったことに気づいた権田は、というわけで、少しだけネットで見られました、こりゃ大変、の悲劇となります。
現在ではとても作れない映画でしょうね。
なんでもアリだった当時のことが、なんだかなつかしくなる私でした。
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