第35話 微妙な友情「真夜中のカーボーイ」
1969年公開のアメリカ映画、監督は名匠ジョン・シュレシンジャー、第24話で取り上げた「日曜日は別れの時」を撮りました。この「真夜中のカーボーイ」でアカデミー賞作品賞を獲得。監督自身ゲイだったと今年になって知ったのですが、そう思ってみると、ゲイ要素がちりばめられていたようです。
主演のジョー役はジョン・ヴォイド、アンジェリーナ・ジョリーの実父と言った方がピンとくるかな。存在感ありすぎな唇が親娘の証?
ニューヨークの女に受けると勘違いのカーボーイの格好、ゲイが喜ぶだけ、らしい。そんなテキサス出身のジョーは貧相な小男(ダスティン・ホフマン)に女を世話すると言われ金を払うが、男を求める男に引き合わされてしまう。
その後、奇妙な友情が芽生えていく。ラッツォは厳寒の街、暖房もない部屋で病状は悪化、意識は朦朧となり、ジョーはラッツォを憧れのフロリダに連れていくことを決意する。長距離バスの車中で失禁するラッツォ。二人してアロハシャツに着替える。
この、なんとも生温かい微妙な友情が気になりました。仕方ないとはいえ失禁した友のシモの世話をするジョー。ラッツォは逞しく健康なジョーに密かに惹かれていたのかもしれないし。友情に過ぎないはずなのに、それ以上の何かを感じてしまいました。
もうひとつ、気になることが。
テキサス時代のジョーの、モノクロの回想シーンがあるんですが、ジョーは裸で車のボンネットに手をつかされて周囲には男たちがいて。後にDVDで見返したとき、こんな場面あったっけ?
初見は中学生の頃で、記憶力もゲイがらみの映画への関心もマックスだったのに見逃すかな、もしかしてカットされていた?
それはさておき名作です、チャンスがあったら是非ご覧くださいませ。
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