第25話 葬送のトランペット
辰巳ヨシヒロの漫画ですが、タイトルがどうしても思い出せません、検索しても、それらしい作品は見当たりませんでした。アングラ的なコミック誌「ガロ」に載ってたのかなあ、私は高校生、ベトナム戦争も終わりが見えなかったころです。
日本の青年がアメリカの黒人兵からトランペットを習う、そんな出だしだった気がします。
二人は親しくなっていき、ある日、ボートで海へ。
「マイベイビー」
黒人兵はボートの中で青年を抱きしめます。
「それはごく自然な行為だった」
青年のモノローグ、海上のボートが俯瞰で小さく描かれているだけですが、ドキドキしました。
風変わりな漫画ばかり描く辰巳ヨシヒロが、こんなのを!
やがて黒人兵は去っていきます。
青年は、遺体清浄というのか、ベトナムで戦死した兵士の遺体を洗い清めるバイトに就きます。できるだけ綺麗な状態にしてアメリカに戻すためで、戦場のベトナムでは無理、同盟国である日本で、ということだったのでしょうか。
ある日。青年が担当した棺に、あの黒人兵が納められていました。そう、彼は戦死してしまったのです。
あふれる涙を拭おうともせず、棺のそばでトランペットを吹く青年。
ベトナムへは、沖縄経由でアメリカ兵が送り込まれたとも聞きます。この物語の舞台は沖縄だったのかも。
沖縄の本土復帰は1972年5月15日。ベトナム戦勝の終結には、またあと三年を要するのでした。
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