第24話 心が見えない「日曜日は別れの時」
【1971年のイギリス、アメリカ合作映画。中年医師と若い芸術家、夫と別居中のキャリアウーマンをめぐる三角関係を描く】
という概略ですが、私が見たのは数年後、またもや大学生になってからです。
当時、ゲイが映画に出てきても、キスシーンもめったになく、ましてやベッドインをはっきり描くことは皆無。
【一般劇場公開された映画で初めて、男性同士のラヴシーンが描かれた作品(『セルロイド・クローゼット』より)】
とWikiにあります、やっぱり画期的な作品だったんですね。映画としても高評価で、たくさん受賞しています。どこがどうとは言えないのですが、記憶に残る映画でした。
ただ、二人の間で揺れる、はずの彫刻家ボブはどうにも掴みどころがないのです。男女どちらの恋人も好きなんだろうし、関係もうまくいっている。女性の方は、彼に同性の恋人がいるのを知っているようだけど、それについては何も言わない。
中年医師は、彼とイタリア旅行に行くことにして、テープ教材でイタリア語を勉強中。特に何の波乱もない、二人の恋人の間を行き来する姿が描かれる、だけだったような。
見えない、読めないのです、ボブの心が。いつまでも三角関係を続けていく気だったのか。本当はどちらにより惹かれているのか、とか。私には全くわかりませんでした。決める気がなかったのでしょうかね、葛藤らしきものはなく、淡々と時間が流れていきます。
結局、ボブは勉強のため外国へ行くと決め、二人との仲もおしまいに。
ラスト、彼が乗った飛行機を空き地で見上げる、年上の恋人二人。「行っちゃいましたね」みたいな感じ。別にいがみ合うわけでもなく、互いに、これがもう一人の恋人だったのか、程度の思いでしょうか。なんとも不思議な作品でした。
監督は名匠ジョン・シュレシンジャー、「真夜中のカーボーイ」でアカデミー賞を受賞。監督自身ゲイだったんですね、今になって、ようやく知りました。
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