第14話 なんでもアリの古代ローマ絵巻「サテリコン」


 私が映画に目覚めた頃はイタリア三大巨匠(フェリーニ、パゾリーニ、ヴィスコンティ)画現役でバリバリ問題作を撮ってました、いや、すごい時代でした。

 本日はフェリー二の「サテリコン」をご紹介。原作は紀元一世紀(?の小説だとか。

 1969年の作品、日本公開は翌年だけど、これまた田舎じゃ公開されず、大学生になってから見ました。もう見たくて見たくて、なんつっても雑誌「スクリーン」で見た写真。眠る二人の美形。美青年に寄り添う美少年。

 なんだこりゃー!?


「美青年の学生エンコルピオ(マーティン・ポッター)は、愛する少年奴隷ジトンを親友のアシルト(ハイラム・ケラー)に奪われる。エンコルピオは芝居小屋に売られていたジトンを必死の思いで奪還する」

 そんな始まり!

 ジトンは、アシルドを選んでしまうのです、はあ?

 しかも、もともとエンコルピオとアシルドは恋仲だったらしい。どろどろの三角関係?


 が、本筋は、何でもありの古代ローマ帝国の豪華退廃爛熟絵巻。

 アルビノなのか、真っ白な両性具有者。めった刺しにされる若き皇帝。貴族の葬儀だか宴会だかはやたら派手で、「アノクタラサンミャクサンボダイ」、般若心経らしきものが流れる。

 何故か金満老人と結婚させられそうになるエンコルピオ。花嫁の白いベールを被って、むむむ。


 おぞましくも壮大な群像劇。当時のポスターにはおびただしい数の顔が並びます。フェリーニらしい混沌とした世界、今では絶対に作れない映画だろうなあ。

 と、ちょこっとYouTubeを覗いたら。なんと全編見られるじゃないですか(12月25日現在)。イタリア語、英語字幕ですが。エンコルピオはすぐ出てきます、金髪に青い目、やはり美しい。アシルド、ジトンも拝めます。最初の十分でお腹一杯になってしまいましたが、お時間ある方、怖いもの見たさで、是非どうぞ。

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