第2話 「とりかへばや物語」の衝撃

 小六から腐りだした私。中学時代ももちろん同性愛的作品は探しましたが、今回はいきなり高校時代に飛びます。

 あまりにも衝撃的な出会いがあったのです。

 高校一年。文学史のテキストに載っていた「とりかへばや物語」の紹介に目を疑いました。

「退廃的な世相を映した作品」みたいな説明があり、内容は。

「男女のきょうだいが異性装のまま成人し、兄は女として、妹は男として生きていく。妹は結婚までしてしまう」


 マジか。千年前の物語とは思えない。

 さっそく、図書室に借りに行き、堪能したのでした。

 男装の妹は、同僚である色好みの宰相に言い寄られます。同性愛を仕掛けられたのです。宰相は、いくら色っぽいとはいえ同僚、つまり同性にクラッときた、当時から同性愛はあったのだ、ということですよね。

 作者不詳ですが、私は「源氏物語」より、こちらを高く評価しています。


「とりかへばや」の「ばや」は、「~したい」という意味。とりかえたい物語、なんですね。本来の性に戻ってほしいという両親の願いでしょうか。

 今ではすっかりメジャーになって、このタイトルのパロディも複数、出版されています。

 しかし私は不満なのです、訳あって男装した女子が王子様的男子と恋に落ちて、みたいな話が主流だからです。


 男女のきょうだいではなく、異母兄弟という設定でパロディを書きたいのですが、なかなか着手できません。とりあえずタイトルは「とりかえなくてイイんです」的なもの。取り換える必要はないですよ、どちらも男なんだから。もちろん兄は、女装したまま御所に仕える、弟は宰相に××されてしまい、さあどうなる?

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