無題



私の愛する人が突然生き返って、でもその人は生前の記憶を全て無くしていて、私を愛している事しか覚えていなくて。


その人に私は毎朝、お願いする。


「どうか死んでいて下さい」

「お願いだからもうずっと眠ったままでいて下さい」

「辛い事とはもうずっと離れた場所にいて下さい」



なのに記憶を無くした筈のその人は、全部全部わかってるみたいにわらうのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る