どうしようもない夜に



どうしようもなく泣いてしまう夜に、窓から身を投げ出して暗い夜に落ちる。


いつしか涙は止まる。乾いた目に映る景色がある。夜の底で輝く街明かり。

流星雨を見る。おばけに会う。落ちる人がいる。一人になりたい。落ちてく人の横をすり抜ける。


底にあるのは屍体。昨日落ちた私。その前落ちた私。一番底から灰になっていく。


まだ新鮮な私は私の屍体の上で考える。

屍体はぐにぐにしていて気持ちが悪い。


私はいつから腐りましたか。

いつでも腐っています。

何も出来ない人間なのはこれから先もきっとそう。


夜の光は遠くて少し眩しい。

静寂は痛い。

やがて何も見えなくなる。

窓まで戻れない。しんどいから。

今日もここで腐る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る