section9 VS南雲高校②
大丈夫。きっと打てる。打てなくてもまだ初回、打席は回ってくる)
大聖は集中力を高めながら打席へむかった
初球、インコースギリギリのストレートでファーストストライクをとられる
(速い、そしてコントロールもいい。恐らく追い込まれたら縦スラがくる。できればそれまでには出塁したい)
カキィン
2球目のストレートを上手く流すが…打球はファウルとなってしまう
(…くっ…でも次はきっと縦スラ。逆にそれを狙うか?)
3球目…
(来た!…縦スラだ!)
大聖はしっかりバットを振る…しかし
「ストライク!バッターアウト!」
(空振り?!なんつー変化量だよ)
「…仲林。やっぱりストレートを打つしかない」
「了解」
「ストライク!」
(縦スラ?!)
キャッチャーがリードを変えてきたのか初球に縦スラを使ってきたため仲林は完全に裏をつかれた
(…ストレート!)
「ストライク!ツー!」
(だぁー!空ぶった)
「ストライーク!バッターアウト」
3球目縦スラで三球三振となってしまった
なんとこの回、魚川は三者連続三球三振で終わってしまう
…試合は5回へと進んだが魚川は未だノーヒット
南雲のピッチャー那由多にすでに9個の三振を奪われているが意外にも試合は0-0のまま。藤村もまた南雲打線を5回2安打で抑えているのだ
「よぉし!」
ズバァァン
藤村のストレートはまだまだ走っている。しかし先ほど監督に
「藤村、5回で交代だ。すまんが練習試合だからな、他の1年生も出したいんだ。お前らもこいつを勝ち投手にしたいなら裏で点とってこい」
とのことなので藤村はこの回で終了する
カキィン
打球はセカンド後方のフライとなってワンアウト。
ここで打席に立つのは四番浅霧。
(そろそろ打たねぇとな)
浅霧の気合いは充分
「らぁ!」
藤村から渾身のストレートが投げ込まれる
「ストライーク!」
まずはワンストライク
出だしはまずまずだ
(さて、次は…カットボールかな。藤村…インコースにカットボールだ)
藤村はサインに頷いた。藤村自身もやはりカットボールには一番自信がある
…しかし
カキィン
打球は左中間を真っ二つ、センターの仲林が懸命に打球を追いかけている間に浅霧は2塁へ
ワンアウト2塁のピンチとなる
さらにここで迎えるのは五番の沖田。長打率は浅霧が上だが打率は沖田が圧倒的に上。この場面ではむしろ浅霧より怖いバッターである。
「沖田ぁ!いつも通りだ!」
浅霧が沖田を大きな声で鼓舞する
「わかってるって…浅霧…まぁ落ち着いて見てろ」
浅霧とは対称的にいつも冷静な沖田。この部分は久甫といい勝負だ
カキィン
初球カットボールを打たれるがファウル、しかし打った打球は鋭く、芯で捉えられていた
(くっ…)
この時点で藤村には自分の得意球を捉えられ少し動揺があった…2球目の甘くなったチェンジアップにタイミングを合わせられ
二塁打を打たれる。これで1-0とうとう均衡が破られた
ワンアウト2塁、状況は変わらないがより一層南雲高校に流れはきている
「りゃあ!」
カキィン
今度は初球打ちライト線ギリギリに落ち2塁の沖田は一気にホームへ
これで2-0バッターランナーは一塁で止まった
「まずいな、佐々木ちと早くなったが行ってこい」
才田監督が継投指示をだす
しかしこの後1点とられ3-0で試合は5回裏へ突入する
この回の先頭バッターは4番の目河。
(今日の4番は俺だ。まず俺が打つ)
初球縦スラを見極めワンボール
(よし見えてる。次は…)
…ストレート!
カキィン!
芯で捉えた!…が打球はレフト方向のファウルゾーンへ
(ストレートには慣れてきたぞ)
続く3球目は…
「うおっ?!」
…カーブで完全にタイミングを外され空振ってしまった
(ちくしょーやられた)
(縦スラ…ストレート…カーブとなると…)
「…?!」
またしてもカーブだった。目河は完全にストレートに的を絞っていたためタイミングはずらさている。しかし
ギィン
バットの先に当たったボールはサードとレフトの間へ
「ぐっ…」
南雲のサード勝代が打球へ飛び込むが…
「落ちた!」
打球はちょうどいい所に飛びポテンヒットとなり、魚川はこの回でようやく初ヒットを打つことが出来た
to be continued
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