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美しい文章で語られるだけに、感じる哀愁も倍になっているようで……家の中で暖房をつけているはずなのに、そして夏のお話であるはずなのに、少し寒さを感じてしまいました。切ない。
私ももう大人なので、どうしても分かってしまう部分があります。やっぱりあの夏には帰れないんですよね。帰れないから、帰れないなりに、新しい行き場を見つけなきゃいけない。
哀愁も感じたんですけど、背中も押されたように感じました。素敵な物語でした。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
「美しい文章」とのお言葉を頂戴し、とても嬉しいです。まさに、光が影を濃くするように、情景と対比的に主人公の心理が強調されれば、ということを考えておりました。
そうなんです、大人になると、あの夏には帰れないんですよね……。それは寂しいことだけれど、ただ嘆くのではなく、新しい明日を探す糧になれば。そんな一助になれたなら、幸いです。
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主人公の体温の低さとお祭りの温度の高さの違いが印象的です。客観的に、むしろ冷たい目で周りの光景を見ながら、いつの間にか自分の内側に思いを馳せてしまうところも共感を覚えます。最後にはっきりとしたハッピーエンドを持ってこられないところがとてもいいですね。帰らなければ。とは、主人公にとってどこへ帰らなければならないのだろう、と考えました。描写のひとつひとつにも情緒を感じました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
頂いたコメントの内容は、もはや作者から何も補足等することがないほど素晴らしく(ただただ、一文ごとに頷くばかりです)、丁寧に読んでくださって感無量です。
「帰らなければ」というのはとても現実的ですが、その帰る先がはっきりわかるほど、シンプルな現実じゃないんですよね……。
この作品は、作ってからかなり削って仕上げました。そのぶんの余白をこうして読み解いていただけることは何よりの喜びです。
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ハッピーエンドなどという無理矢理なラストに結びつけない、なんとも味わい深い短編ですね。
子供時代にキラキラと見えていたものが、今はもうつまらなく見えて。それでも、キラキラした何かを追いかける子供時代がたまらなく懐かしく、愛おしくて。
記憶の中の初恋の子が、「もう一度走ろう!」と彼に誘いかけたのですね。
自分が死んだ魚の目をしていると気づき、明日を見ようという気持ちが動き出した主人公。昔のようなキラキラした何かに出会えるといいなと、心から思います(*´꒳`*)✨
作者からの返信
拙作へお越しいただきありがとうございます。
「味わい深い」とのお言葉、とても嬉しいです。おっしゃる通り、ここにはハッピーエンドはありません。きっと、読んでくださった方が何かを見つけて、主人公の明日が少し良いものになると期待してくださったら、それがハッピーエンドになるのだと思います。
何も変わらなければ、バッドエンドかもしれませんね。いずれにしても、日常に戻らなければならない。それが彼の定めです。
「もう一度走ろう!」は、きっとそうですね。いい言葉です。
お読みいただき、丁寧なご感想を頂戴しまして、誠にありがとうございます!
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上田 直巳様
読み終わって、ほうっとため息が出ました。目の前に映像が現れる文章。
彼の擦り切れた心に、ふっと蘇ったドキドキした過去の風景。
暗さと明るさの対比。でも、あくまでもその明るさは過去のもので、気付けば自分は暗闇にたたずんで、どちらに行けば良いかわからずにいる。
切ない終わりかたもいいですね。他の作品もそうですが、上田さんの文章には、美しい情景と、心の動きが丁寧に書かれていて、グッと引き寄せられます。
素敵な作品をありがとうございました!
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
身に余るお褒めの言葉に、こちらの意図を全て汲んでくださったようなご感想……とても嬉しいです。
「気づけば自分は暗闇にたたずんで」とは言い得て妙ですね。たしかにここにある「明」はすべて過去のもので、賑やかな夏祭りの会場でさえ、それを素直に楽しめない彼だけ、なんだか暗いところに取り残されている感じがします。
素敵なご感想をいただき、誠にありがとうございます!
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流れに任せて、水槽の端で死んだように浮かんでる……勤め人としては、身につまされる言葉でした(汗)。主人公が緋真理を追いかけ続けていたら、今頃どんな人生になっていただろうか?そんなことを想像しながら読んでいました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。お返事遅くなってすみません。
とりわけ組織で働いている人には、流れに身を任せるようなことは多々ありますよね。作者自身にも身に覚えが……。
流されるのは必ずしも悪いことではないですが、そこに疑問を抱いたり、思いを巡らせたとき、もしもあの時違う選択をしていたら、と思う瞬間が誰しもあるのではないかと考えて書きました。そういったところを感じていただけたようで良かったです。
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情景が次々と浮かんでは消えていきました。
まさに夏祭りの賑やかだけど終わりの見える寂しい気持ちでした。
子どもになったり大人になったり、読みながら私も入り込んでしまいました。
少しハラハラドキドキして電車の時間とか気になるけれど、一方で主人公のように「遅れてもいいか」という気持ちもありました。
主人公は疲れているけど根底では前を向いている印象があり、そこがまたよかったです。
素敵なお話をありがとうございました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
たしかに、主人公には現状を諦めきっていない、前向きな部分もありますね。そのことを感じていただき、お褒めの言葉をいただいて嬉しいです。「遅れてもいいか」というのも、どうせ急いで帰っても…という思いと、やっぱりどこかで夏祭りに期待しているのもあるのかもしれませんね。
入り込んで読んでいただいたとのこと、光栄です。
こちらこそ、温かなコメントをありがとうございます!