自然の営み
こうして<侵略者>を撃退しその肉を喰らった
<女性がシャワーを浴びているかのような光景>
についても、バドは淡々と記録していた。その機械の体に小鳥がたかっても、意に介さない。それこそただの置物のようにそこに佇んでいる。生き物じゃないことで、小鳥も木の枝と変わらずにとまったのだろう。そしてその小鳥は、同じようにバドの体にたかった昆虫を捕え、食べた。
ごく普通の<自然の営み>が、そこには繰り広げられていた。
その上空を、何かの影がよぎる。鳥のようにも見えるが、明らかに大きい。翼端長は三メートルくらいありそうだ。
ちなみに、
<フライトユニットを装着したバド>
であった。
しかし、今、空を飛んでいるのは、<フライトユニット>ではなかった。よく見ると、体の部分のシルエットが、まるで<人間>のようである。
それは、
<翼を持った人間のような生き物>
である。すると、水浴びをしていた
「!」
体を緊張させ空を見上げた。と言うのも、アクシーズもかなり凶暴な生き物であり、
ただ、今回は、たまたま上空を通過しただけのようで、すぐに遠ざかり、見えなくなる。アクシーズは、基本的には<滑空>により、長くて百メートル程度を飛行するだけなので、鳥ほど自在に空を飛べるわけではない。
それを確かめて、
こうして血を洗い流し、頭を振って水を跳ね飛ばす。
ここまでの様子でも分かる通り、
<人間としての感覚>
は一切ない。割と清潔好きとは見られるものの、容姿を気にする感覚は持ち合わせていないようだ。また、個体数が多くないため。繁殖時には雄も雌も、たまたま出会った相手とそのまま交尾するのが基本であった。
<好み>というものがどうやらないようなのだ。
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