敵は殺す。そして、殺した相手は喰う
この時の、
戦いは終始、
人間のように跳び上がらなければ両足を一度に攻撃に使うことができないのと違って、
それを、
しかも、両足で相手の<人間のようにも見える部分の腹>(くどいようだが実際にはそこは
この辺りの細かい部分で
「ゲフッ!」
<人間のようにも見える部分の腹>に強烈な蹴りを食らい、相手は怯んだ。その隙を、
さらに右足(
人間のように見える部分も意識が朦朧とした様子になる。
本来なら、自分が不利になった時点で逃げるべきだった。そうして生き延びれば再戦の機会もあったかもしれないが、逃げないということは死ぬまで戦うということであり、それで負ければ、即、<死>を意味する。
ゆえに、朦朧とした人間のようにも見える部分の頭に、今度は、<
バギッ!!
という音と共に相手の頭が有り得ない方向に曲がり、さらに顔の半分の肉が抉れた。
これにより、決着はついた。相手の、人間のようにも見える部分の首の骨が完全に折れ、異様な形でだらんと垂れ下がる。
人間なら慄くようなその光景も、
それだけだ。
だから、ぐったりとなった相手の首に歯を立てて、ぶちぶちと肉を喰いちぎり、がつがつと噛み、ごぐりと飲み下す。ぼどぼどと滴る血をぐぶぐぶと喉を鳴らして飲み、顔を血で真っ赤に染めながらさらにぞぶりと肉に喰らい付く。
人間であればおよそ正視に堪えない光景を、少し離れたところから<バド>はただ静かに見つめていた。ロボットだから当然だが、何の感慨も示さず、ただ冷淡に記録し続けたのだった。
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