11話
お風呂を、虚しさを流しながら堪能してから真夜と一緒に上がる。
真夜には先に家の中に行ってもらって、私は風呂の片付けをしてから家の中に入った。片付けは真夜と話し合って、毎日交代ですることになった。
片付けといっても、お風呂に魔法で土を詰めて、その形を崩すだけだけど。
昨日の葉っぱで作った布団が敷いてある部屋に入ると、すでに横になって目をつむり、寝息をたてている真夜がいた。
「真夜ー、もう寝てるの?」
もし寝ていたら起こしてしまわないように、声を小さくして呼びかける。
「……」
何も反応が返ってこなかった。多分今の時間は9時30分ぐらいだと思うけど、こんなに早く寝るなんて珍しい。私ももう寝よっかな。
ついていた明かりの魔法を消して、葉っぱの布団に横になろうとする。
「真夜、おやす…」
あれ?真夜が寝てるなら何してもバレないんじゃ?
チュッ
突然そんな考えが頭の中に浮かび上がり、その次の瞬間には体が勝手に動いて、真夜のおでこにキスをしていた。
自分が何をしたか理解できず、呆然としながらだんだんと睡魔が襲ってきて、しばらくして眠った。
side:真夜
お風呂の後片付けを交代ですることにして、今日はお姉ちゃんの番なので、私は先に家に入る。
葉っぱの布団を見て、昨日みたいなことが起きないように、お姉ちゃんが来るより先に寝てしまえばいいと思いついて早速実行する。
だけど、普段遅くまで起きてる私が急に早く寝るなんてことはできなく、お姉ちゃんが家に入る音がした。
「真夜ー、もう寝てるの?」
もし本当に私が寝てたら起こさないためにか、声を小さくして呼びかけてくれる優しいお姉ちゃん。
心苦しいけど、ここは寝たふりをしよう…
少しすると、瞼を貫通して目に届いていた光が消える。そういえば魔法の明かりをつけたままだった。
「真夜、おやす…」
お姉ちゃんが横になのが止まった気配を感じた。『おやすみ』も途切れたし、どうしたんだろう?
するとだんだんとお姉ちゃんが近づいてくる気配を感じた。そして
チュッ
(?!)
おでこに少ししっとりとした生暖かく、柔らかい感触がした。
え?お姉ちゃん、私のおでこにキスしたよね、今?え?!
そのことでずっと悶々として、昨日より遅くまで寝付けなかった。
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