監禁日記 2日目
地面に寝転んで一夜を明かしたため体が痛い。もう一度部屋を探索したところ天井に時計がかけてあった。スタンドライトの首を百八十度回して天井を照らすと見える。
連れ去られてから大体十九時間ほど経っている。
今日までで分かったことは部屋には必要最低限のものしかないこと、夕食と昼食が運ばれてくること、1日の内に原稿用紙五枚分をそれぞれ違う内容の短編で提出しなければならないこと、その原稿用紙の裏に必要な物や資料を書き留めると次の日には届けられること。今日は必要なものとして布団を注文した。以上のことは全て、扉の隙間から差し込まれた紙に書かれていたことだ。
私はその紙を渡してきた人の正体も声も顔も知らないが、その時が唯一、人と関わった時間だ。扉の向こう側に人が居たのならの話だが。
原稿用紙はいつも1枚余計に配布されるので、これからも日記としてつけていこうと思う。こんなものでも何か脱出の手がかりになるかもしれない。
400字詰めノ物語 Lie街 @keionrenmaro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます