3 銀河系バス

 銀河系にあるこのバス停。僕はいつもこのバス停を利用して仕事先まで行くようにしている。銀河鉄道よりも一時間も余計にかかるが仕方ない。料金が三倍も違うのだから。なぜだか経費では落ちないことになっている。

 バスに乗り込むと、なんてことはない、汚い座席にくだらない人間がズタ袋を着て座り込んでいる。いつものことだが、僕はその中でも一番ましな席に腰を掛けた。

 ぷしゅー。バスの扉が閉まると嫌な空気がバスの中に立ち込めた。

 運転手がいつも通りいきさきを告げたが分かり切ったことなので別段気に掛けることはなかった。僕は少しの間眠ることにした。


 次に目が覚めたのはバスの警告音が聞こえた時だ。真っ赤な車内に運転手の声が響いた。

「流星が車体に接触しました。乗客の皆様は落ち着いて避難してください」

 いつもの日常が壊れた瞬間だった。僕は右も左もわからず避難口へ向かった。ごった返している車内。僕は会社に遅れることが気がかりだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る