キャラは勝手に動くのか②
キャラクターは勝手に動くのか分からんという話をしているはずがキャラクターを勝手に動かす方法について説明している感じになっている。よくない。創作を人に教えるなどおこがましいとは思わんかね。
本間先生……! 手術がしたいです……!
何かが混入したので続きを書こうと思うのだ。
いまやったのが、勝手に動くの勝手レベル1くらいの勝手さである。
より具体的には、主人公BJが師匠の本間先生を助けられなくて激落ちくんなってイマジナリー本間先生を傍らに召喚、想像上の本間先生に慰められるシーンである。相当ショックだったがために解離性障害の初期症状が出ており……というのは冗談である。
もとい。
その一コマでBJの返しのセリフはない。なので先生とセリフに入ってて知名度のありそうなものを脳内データバンクに照会したらスラムダンクの元ヤン三井くんの名台詞を返してきたので、BJ風に合わせたのである。
ここ! ここが勝手レベル1!
BJというキャラは手術の鬼なので、バスケより手術がしたいのである。したがってパロディシーンとして手術がしたいですという台詞が選択される。これが私の常識による勝手レベル1だ。たぶん。分からんけど。
無論、バスケをしたがってもよい。その場合ギャグ時空というか、ツッコミ役が欲しくなってくる。今のシーンにいるのはBJとイマジナリー本間先生だけなので、イマジナリー本間先生が後方安西先生ヅラして何か突っ込むか突っ込まないかするのだ。
ここで選択するものが、勝手レベル2につながっていく。
今は一コマを混ぜてつなげただけなので自由度が高いが、キャラと空気感をそのままに次の話に入っていくと、最初に選択した行動やセリフがどんどんキャラの自由度を奪っていく。いや奪われないだろと思うのなら、それは創作者のキャラ自由度についての見識が広かったり緩かったり雑だったり(私だ)するのだ。たぶん。
したとすれば、勝手レベル2である。
同じキャラで別のシーンを書き始めれば、自ずと、あるいは勝手に、もしくは計算高く、キャラの一貫性を保ったり保たなかったりする。
そう。保っても保たなくてもよい。
なぜなら、勝手レベル2とは、キャラ先行にしろスジ先行にしろ、情報が増えていく段階だからです。常に自由に動くとボーボボなゴルシになる。要するに支離滅裂にみえるわけだけれど、続けていくと、それでも勝手レベル3に突入します。
勝手レベル3――人、それを軸という。
なんかカッコよく言おうとしたけど、要するに行動原理である。この域に達したキャラクターは自我をもっているので決められた筋書きに反抗し始める。んなことあるわけないというのなら、それは順調に原稿が進んでいる完成された創作者様か、客観性を見失いつつあるバカ創作者(私)である。
ここでいう筋書きへの反抗を言語化すると、違和感とかが妥当だろうか。
たとえば前回に使った荒野で宿敵の眉間にリボルバーをつきつけるセクシーランジェリールブタンハイヒール親父に決め台詞「私はすぐにぶっ放すタイプなの」を言わせつつ引き金を引かせたいとする。
私の中でキャラの性格が冗談とか言わない渋い親父だとしたら、このセリフを急に言わせたら違和感がでる。なんで言ったのか、できれば瞬時に、そうでなくても後のシーンで整合性を取りつけて違和感を消したいのである。
書いてみて、違和感がなかったら、そこはすでにキャラが勝手に動いてきた結果なのだ! ……いや分からんけど。
んでは最後に、翻ってキャラが勝手に動くはずがないのはなぜかを考えよう。
勝手にやれ。勝手にやるもん。
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