本格についてもう少し考えてみる・後

 一回分で終わると思ったら終わらなかったので続きです。バカ(私だ)の話は長いものである。しかも要領をえないというか、分かりにくいのだ。そらそうだ。書いてる私が分かってないんだから。とりあえず前回、仮のリストを作った。


 一. 竜

 二. 名前つきの武器

 三. キリスト教

 四. 現実と地続きの過去


 これらのどれか一つでも欠けたら本格ではないとしたのだ。暴論である。暴論であるような気がする。なので、一回キツく縛ったものを緩められそうなものから緩めていく。要するに、


 一. 化け物

 二. 名前つきの武器

 三. 宗教

 四. 現実と地続きの過去


 注意しないといけないのは、三つ目の宗教である。現代を生きる日本人には気づくにくいが、宗教というのは価値観とほぼ同義語である。今では古い言い方になったがみんなの宇宙船地球号における船内マナーなのだ。教団はマナー教室。そら対立も起こる。一方に気持ちよくても他方には、となる。現代日本はそこらへん曖昧にちょーしててファンタジーみあるが面倒な話は避けて書き直すだけにする。


 一. 化け物

 二. 名前つきの武器

 三. 異なる価値観

 四. 現実と地続きの過去


 あえて異なる価値観としたのは、読者は敵の価値観にも触れるからです。敵味方おなじ価値観ならテーブルマナートーナメントなんて開催されません。ようするに、異なる価値観がぶつかり合わなくては本格ではない、としておこう。


 ……すっごいテキトーなのに、だいぶそれっぽくなっておる(自画自賛)。


 この定義なら三国志演義も本格ファンタジー入りできるのだ。え? 化け物? そこに 兀突骨ごつとつこつがおるじゃろ。まぁつまり、物語上、あるいは作劇上、化け物として書かれていればよいとしておけばよい(やーとなそれよいよいよい)。


 で、このブラックリスト定義、なんとなく4つ目を取り除きたくなるが、取り除くと急にSFがありうるので、実は過去の話であるというのは大事かもしれない。いやまったくわからんけど。


 問題は異世界転生や転移である。現代人が異世界に飛んでそこでの活躍――というかアレコレを描く。普通にファンタジーである。であるが、本格なのかどうか。というのも、飛び込んだ異世界の地続き性を担保しているのは飛び込んだ当人なのではないかと思うのだ。またわけわからんことを言い始めたぞこいつ(私だ)。


 なんというかこう、一時はやった異世界大喜利って異世界に現代の◯◯があったらって話の作り方だから本格ファンタジーじゃなさそうじゃない? という肌感覚があるのだ。その感覚はそう、それはファンタジーではなくSFの分野ではないかという感覚である。言ってみれば特定技能や事物を用いたタイムマシンをファンタジー世界でやっているだけである。


 五. 思考実験系は本格ではない。


 なんかまた定義が面倒くさい語を出してしまった。どう説明したらいいのかよくわからん。なんというか、こう、違うんです。大暴投である。大暴投であるから、改めて言っておく。本格ファンタジーの本格はくらいの意味で、エラいとかエラくないとか、そういう意味はない。ジャンル名である。――ハッ。


 つまり、現代のファンタジー小説は作風が広くなりすぎて好みの作品が見つけにくいから、もっと簡単かつ直感的にマイナス検索できるようにしてほしい、ということではなかろうか。いや、分からんが。

 

 分からんが、ファンタジー系はもっと検索を充実させるべきだと思います! 


 まぁ作品数の多寡は需要の多寡なので多少の諦めは必要かもしれないが、ここまで考えてきた内容から、ハイファンタジーをもうちょっと細分化したいというのはなんとなくわかった。分かってきた。その意味で、前々回、私が書いたようなアプローチの仕方は、そういうことじゃないとなる。


 それは、であり、。たぶん。わからんけど。

 

 ……なんか分かってきたようでまったくわからん。でも、実は、本格ファンタジーを考えるうちに、話を作る側の理解としての、ファンタジーとSFの違いが分かったりしている。ここには書きません。私だけの秘密。


 ……分からん。いつかポロっと書いちゃいそうな気がしないでもない。

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