創作サイコパスのナゾ

 え? 何ヶ月ぶり? わかりません。分かりませんけど、色々と思うところがあったので書き始めてしまったのです。だったら公開しないと損じゃない! の精神です。なにしろ分からないことを書き連ねるだけのエッセイだから。


 というわけで、創作サイコパスのナゾ! です!


 ……絶対こんなテンションじゃなかったはずだけど、まぁ、よい。

 まず、本物のサイコパスは脳のホルモンバランスがどうこうなので、そこはまぁそれとしておきます。わりと悩んでたりするかたもいるそうですし近年では地味にセンシティブな話題になっていそうですね。

 

 さて、私は新しく何かを書こうと色々と巡っていて、最近の創作サイコパスの類型として白髪アヒャヒャ系は冷めるとの言説を目にしたわけです。

 思いました。

 安心してください、私の創作にはアヒャヒャから冷静からアヒャヒャじゃないけどハイテンションでヤバいサイコパスまで取り揃えておりますよ! 


 ――は、ともかく。

 なんでアヒャらせるかというと、御存知の通り、単純にそう描写しとかないとヤバい人って記号ができない読者様が多かろうと思うからなんですね。

 

 一昔前というと語弊がありそうなので現代ということにしておく広く知られていそうなサイコパス論に型月さんのところの英雄ってサイコパスないし異常者じゃね論があります。ところが、アレの凄いところは勘違いされているんです。たぶん。知らんけど。

 

 英雄ヤバい人論の凄いところは、実は、作中でちゃんとヤバい人扱いしているところだと思うわけです。みんな知ってる――と思っているのはオタクだけなのでちゃんと説明してるところが凄い。芸人が持ちネタの解説して笑いを取ってるようなものです。偶然にせよ狙いにせよ神業です。


 創作に出てくる登場人物なんて真面目に精査したら基本的にヤバい人(じゃないと話になりにくい)ですが、説明を加えないと真面目に精査されないので常人扱いになるんですよね。なぜなら。読んでくださる方は主人公の視点や価値観に沿うから。


 私の創作に出てくるサイコパスさんカッコいいとか言われがち問題です。


 一番最近ビックリしたのは『さらば獣~』の主人公でして、第一次大戦前夜くらいのイメージでつくった世界の、貴族階級の妾の子みたいな設定なんですね。母親の違う可愛い弟がいて、その少年のために、戦争に身を投じるわけです。


 が。

 

 が。なんです。冒頭から上官が自分の意志に反した命令を出したからブチのめして部下を生贄に作戦を成功させるも営巣(牢獄)にブチ込まれているわけです。作戦が成功してるし動機も情緒的に繋がりのある人への利他的行動だからOK。


 ……いや、そうはならんでしょ? ……なりませんよね?


 なんとなく一癖ある人ってイメージになると私は思ったわけです。でも違った。違ったんです。導入シーケンスで上で述べたアヒャヒャノリの狂ってそうな軍人を出して褒め称えさせたわけですが、それによってカッコイイ人扱いになったようです。


 ようですって、評価シートにあった文言なので、プロないしセミプロの、下読みと呼ばれる方々がそう読んだというわけです。もちろん、一般読者の皆様がそう読んだのなら私は「へー」の一言で済ませますけれど、プロがそう読んだとなると……!


 サイコパス 説明しないと 健常者


 季語はサイコパスですよ。夏かな? 春? わからん。

 冒頭でも書きましたけど創作のキャラクターなんて基本的にはみんなサイコパス傾向があるんです。ただそれを異常者として扱わないだけなんです。ただ書いている側(私です)も大概サイコパスなので、説明の必要を感じていないのです。


 で、説明しないとどうなるかというと、偉そうにアヒャヒャはウザイとか冷めるとか評する方も平然とお流しになられるんですね、私のように。ええ。書いているのは私ですから当然のように流します。


 私の思うにサイコパスの一番怖いところは気付いたらサイコパスに流されていることなので技術的には成功しているのですが、成功しているとサイコパスと認識されてくれないジレンマが発生します。


 ……いや、どうすればいいというのだ……!?


 わからん。ひっそり狂ってるタイプのキャラクターが好きだからひっそりと狂っていると伝えたいけど説明したら派手に狂ってるキャラになっちゃう。いい具合の書きかた知ってたら教えてほしいぐらい。ほんと。

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