キャラ付け
文法的な分からなさばかり並べてても退屈だろうから、たまには創作論を名乗るものらしく小説の書きかた的な分からなさも書いてみようと思う。
前回は記号だったので、記号つながりで、
キャラ付けの話をしよう。
これほど分からんものは……いっぱいある。困る。
小説を書くには、まあ大体の場合キャラクターがいる。キャラクターと書いたのは人である必要がないからだが、まあそこはいい。出したキャラクターのキャラをどう付けるのかが分からんのだ。
キャラクターを構成するのは外見と性格である。小説の場合は絵がないので、外見はそこまで重要ではない。ラノベの場合だと、絵に合わせて本文を変えることもあるという。そんなことにならないように、外見を伏線にして対抗を試みたりもする。受賞した暁には見てろの精神だ。
さてこのキャラ付け、書き始めた頃の私は、外見だけでキャラ付けしていた。ことあるごとに外見を描写したりとか。まあ、これじゃダメだと口調を加えた。しかし口調にも早々に限界が訪れた。
そりゃそうだ。喋り方は性格の一部でしかない。
だからと言って『こいつは嫌なやつです』と書き加えても嫌なヤツにはならない。いやなるんだけど、読者は「はいそうですか。嫌なやつですね」とはならない。分からん。なる人もいるかもしれん。まあ私はなかなか割り切れない。だもんで、対比を使ってみようとなった。
たとえば、すぐ近くでお婆さんが転んだとして、
「うわっ、いたそー」
と苦笑する男に、女は眉を寄せた。
「はぁ? なに笑ってんの? ――ちょっと、大丈夫ですか!?」
女はお婆さんに駆け寄り、抱き起こす間際に財布を抜いた。
「よくやるよ、まったくさ」
男は、また苦笑した。
このように、反応を比べさせて、キャラ付けを強めるのである。今回は、ついでに意表をつき、さらにキャラ付けを強めてみた。いい人そうに見えた女がより悪いやつに見え、悪いやつに見えた男が実はそこまでじゃないように見える……といいなと思う。上手くいっているのか分からん。
なんだか普通の創作論じみた話になってきたので、今すぐにやめたい。やめたいが、書き出した以上はある程度の分量くらい何とかしようと思う。
キャラ付けの話で印象的だったのは、『たとえ空を落としてでも』である。まあ色々とあって、感想を頂いたりもしたのである。そこに、驚愕の評価が!
ダレてきたのでフックをつけたが、大した話ではない。
『敵の首脳が無能すぎる』と言われたのだ。そりゃそうだ。そう書いたんだから。
ブチ切れポイントであった(短気)。
いわゆる異類婚姻譚で、ヒロインである人型の竜が、人間に恋をする話である。ベタだが、ベタを書くために書いた話だ。人に会い、なんやかんやあって竜の国に連れ戻されて、主人公が取り返す。
で、そのなんやかんやに相当する首脳の行動原理や行動自体がアホすぎるといわれたのである。合っている。作中でも主人公は自国首脳をアホだと言っているし、ヒロイン側も自国首脳は古臭くて無能だとしている。
なのに、無能すぎるとは? やりすぎ? 分からん。
というか、設定上は千年だか万年だか人と袂を別ち狭いコミュニティで旧態依然とした生活を送ってきた連中だ。有能なはずなかろう。違うか!?
――違った。
まあ、ストーリーの話とからむので、ここは分かる。分かってしまう。ちょうど話も終われそうである。
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