第6話 おまけ
飯田さんが二次創作を書いてくれました。
本編より、こっちに載せますね。
内容的に。
飯田さん、ありがとう。
――――――――――――――――――――
ある朝。
ブレサルがノートを見つけてきた。
「これ、母さんの……」
ノートを開く。
それは間違いなく、シャロールの字だった。
*
これは特別な日のためのレシピです。特別な日以外作っては、いけません。特別な日、は特別な日です。特別にしましょう。
そういうわけで、レシピです。
一、まず、リンゴを切ります。皮をむくのです。
二、リンゴを切ります。サイコロみたいにしてください。
三、玉ねぎを切ります。皮は剝いておいてください(剝きすぎないでね!)
四、芋を切ります(芋の芽を切り取るのを忘れずに!)
五、鍋にバターを入れます。溶かします。
六、玉ねぎを、入れます。色が変わるまで炒めましょう。
七、芋とリンゴ(全部入れちゃだめだよ!)を入れて炒めます。
八、水とコンソメを入れて、芋が柔らかくなるまで煮ます。
九、佐藤を呼びます。「滑らかにならない!」
十、牛乳を加えてひと煮たちさせます。
十一、塩コショウで味を調えます。
十二、サイコロにしたリンゴを乗せて、シナモンをふりかけます。
十三、佐藤が「美味しい!」と言えば完成です。
*
シャロールがたまに作っていたリンゴスープのレシピだった。ところどころに僕の名前が出ているのがおかしい。思わず笑ってしまう。
そう言えば、何だか分からない液体を前に「滑らかにならない!」なんて言わされることがあったな。あの時は何をやっているのか分からなかったけど、その後に何やら美味しそうなスープが出てきたから、きっと料理をしていたんだと思っていたけど……十三個も工程があるものを作っていたのか。
そもそもリンゴをスープにしよう、という発想が面白い。彼女らしい。好きなものを入れたスープは美味しいんじゃないか、なんていう発想なのかも。頬を緩ませながら僕はブレサルに告げる。
「なぁ」
「ん?」
「今日は特別な日だよな?」
「特別な日?」
「ああ」
僕は笑顔を向ける。
「レシピが見つかったんだ」
*
一、まず、リンゴを切ります。皮をむくのです。
二、リンゴを切ります。サイコロみたいにしてください。
三、玉ねぎを切ります。皮は剝いておいてください(剝きすぎないでね!)
四、芋を切ります(芋の芽を切り取るのを忘れずに!)
五、鍋にバターを入れます。溶かします。
六、玉ねぎを、入れます。色が変わるまで炒めましょう。
七、芋とリンゴ(全部入れちゃだめだよ!)を入れて炒めます。
八、水とコンソメを入れて、芋が柔らかくなるまで煮ます。
九、佐藤を呼びます……僕が作るから呼ばなくていいけど……「滑らかにならない!」
十、牛乳を加えてひと煮たちさせます。
十一、塩コショウで味を調えます。
十二、サイコロにしたリンゴを乗せて、シナモンをふりかけます。
十三……
「美味しい!」
ブレサルが喜んだ。
「懐かしい! これ昔作ってたやつだよね!」
「そうだよ」
僕もスープを飲む。
「……美味しい」
これでスープは、完成。
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