第45話 Dランクは良品ばかり
内訳は、武具が15点。アクセサリーが3点、消耗品が39点だ。
武具の中で、ソラにも扱えそうなものは二つ。短剣と小剣がそれぞれ1振りずつだが、短剣はリッチーがドロップしたライフブレイカーがある。
Dランクのボスドロップではこの短剣の性能を超えないため、こちらは使わない。
残る小剣は、ゴブリンキングの剣よりも性能が良いものだったので、精錬して使用することにした。
名称:鬼蜘蛛の足剣 ランク:R
攻撃力:38 精錬度:―
装備条件:STR40
説明:鬼蜘蛛から切り離された足を用いた小剣。先端が鋭く刺突性能が高い。また硬度も高いため、防御用としても有用。蜘蛛系の憎悪を非常に稼ぎやすい。
「そりゃまあ、同族の足を持ってる奴がいたら怒るよね……」
最後の一文は少し怖いが、性能は良い。
ソラは溜まった精錬石を使用する。
名称:鬼蜘蛛の足剣 ランク:R
攻撃力:38→54 精錬度:―→4
装備条件:STR40→64
装備条件が自身のステータスをオーバーしてしまったが、SPを分配すれば装備可能だ。
念のために、条件が大幅に厳しくならないよう注意する。
次に確認するのはアクセサリーだ。
名称:鬼蜘蛛の憤怒 ランク:R
STR:30 精錬度:―
装備条件:レベル40
説明:鬼蜘蛛の筋繊維を編み込んで作られた腕輪。使用者の筋力を大きく向上させる。
名称:疾風の腕輪 ランク:R
AGI:30 精錬度:―
装備条件:レベル40
説明:強力な魔法使いが生み出した、風を帯びた腕輪。使用者の敏捷性を引き上げる。
名称:湖水のネックレス ランク:R
VIT:30 精錬度:―
装備条件:レベル40
説明:清らかな湖水を用いて生み出されたネックレス。使用者の耐久性を引き上げる。
「鬼蜘蛛の憤怒、なんでこんなにグロテスクなんだ……」
気持ち悪くて装備する気ががくっと低下する。
このステータスボードを作った奴が誰かは知らないが、嗜虐性がかなり高そうだ。
装備条件がレベル40ということもあってか、いずれのアクセサリーも補正値がかなり高い。
「1つでレベル6つ分ステータスが上がるのはありがたいな」
出来るなら、これらを精錬したい。
しかし――、
「これまでは、精錬しても装備条件が出なかったけど、今回はどうなんだろう?」
精錬してきた中で、唯一アクセサリーだけは精錬しても条件が出現しなかった。
このことから、今回手に入れたアクセサリーを精錬しても、装備条件がレベル40のままである可能性は高い。
とはいえ、性能が性能だ。
条件が厳しくならないとは断言出来ない。
「もし精錬して装備出来なくなったら嫌だし、残念だけど、しばらくはこのまま使うか……」
アクセサリーの精錬を諦めるのだった。
他に、ソラが使えそうな武具はない。
「精錬石が余ってるし、何かに使えないかなあ……」
迂闊に精錬してしまうと、要らない武具でも店に売却しづらくなる。
なので、自分で使うものの中から、精錬できそうなものを探し出す。
「あっ、そうだこれを精錬してみるかな」
ソラが目星を付けたのは、ゴブリンキングがドロップした怨嗟の炎剣だ。
これは現状精錬度が7だ。
装備条件の要求値をクリア出来ないため装備できないが、魔法を発動するだけなら可能だ。
「リッチー戦で大活躍だったし、もっと強くしておくか」
精錬する前と後との比較で、後の方がより強い魔法が放てることがわかっている。
炎魔法は広い範囲を焼き尽くす。
多数の魔物を相手取る場合、とても有用だ。
精錬しない手はない。
名称:怨嗟の炎剣 ランク:SR→SSR
攻撃力:+20→26 精錬度:+7→+10
装備条件:STR20 MAG50→80
「これでよし、と……。他には何かないかな?」
インベントリを調べるも、精錬石を使えそうなアイテムがない。
これ以降の精錬はお預けだ。
「他にも鎧系とか、手袋とか靴が欲しかったんだけどなあ」
出来るなら手に入れたかったが、既に都内のDランク固定ダンジョンは踏破してしまった。それでも、入手出来なかった。
【完全ドロップ】は、ボスがドロップする可能性のあるアイテムを、すべてドロップさせるスキルだ。。
だからボスを何度倒しても、違うアイテムは出てこない。
つまり、別のアイテムを狙うのなら、別のダンジョンを攻略しなければならないのだ。
「他県に足を伸ばすか……、それかDテンポに行くか」
テンポラリーダンジョンは、固定ダンジョンに比べ、やや優れたアイテムが出る傾向がある。
一つ一つボスドロップが違うので、欲しいアイテムを狙うならもってこいだ。
そのかわり、テンポラリーダンジョンへの入場にはお金がかかる。
攻略権を、冒険者協会から購入するのだ。
Dテンポだと、現在の相場はおおよそ50万円前後だ。
「Dテンポに行った方がいいかな……?」
お金ならある。魔石を売却したお金だ。
ここ一週間で、ソラはかなり稼いでいた。
これを使えば、Dテンポの攻略権も購入出来る。
「まずは少しずつ、権利を買ってみるかな」
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