第44話 Dランクのダンジョンでアイテムを集める
Dランクに上がってからというのも、天水ソラはずっとDランクの固定ダンジョンを回っていた。
レベルの頭打ちが解除されたので、ひとまずレベルを優先して上げることにしたのだ。
そのおかげで、Dランクに上がってから一週間後にはレベルが三度目の頭打ちを迎えたのだった。
名前:天水 ソラ
Lv:35→40(MAX) ランク:D
SP:15→40 職業:中級アサシン
STR:55 VIT:55
AGI:60 MAG:0 SEN:36
アビリティ:【成長加速】【中級二刀流術】【弱点看破】+
スキル:【完全ドロップ】【限界突破】【インベントリ】【隠密】【気配察知】
装備(効果):ライフブレイカー、ゴブリンキングの剣、革の胸当て+、亡者のローブ(隠密性+)、ゴブリンキングの小手、漆黒のブーツ(隠密性+)、吸血の腕輪(AGI+16)、緩衝のネックレス(VIT+16)
Dランクを周回するのに、ステータスは十分だった。SPを分配するのは、格上の魔物と戦う時になってからで遅くはない。
そのため、レベル28以降はSPを一つも振っていなかった。
「ステータスを振る前に、まず武具をDランクのものに交換しておきたいな」
現在、ソラが装備している武具は、EランクからCランクのドロップの混合だ。
まんべんなく精錬が行えているため、現時点で性能は十分だった。
しかし、今後はそうはいかないだろう。
まずランクを上げるために、格上の魔物と戦わなければならない。
「Fだった時は、Eのゴブリンを倒しただけでランクアップしたけど、今はどうなんだろう?」
【限界突破】が発動する条件がどのようなものなのか、厳密にはまだ分かっていない。
Cランクの魔物を倒せばランクアップするのか、はたまたBランクなのか……。あるいはソラの身体能力に比例して条件が変わる可能性もある。
ランクアップする相手がCランク相当ならば、一度リッチーを倒しているし、あれからかなり強くなった。たとえボスが相手でも不安はない。
問題なのは、Bランクの魔物を討伐しなければ、ランクアップしない場合だ。
今後はそれを見越して、装備を調える必要がある。
これまで戦ってきた経験から、ソラは目標とすべき武具の性能がおおよそ見えてきていた。
Dランクでドロップした武具は、同ランクの魔物と戦う分には十分だ。
だが、1つ上のランクになれば、やや性能が不満になる。
ただし精錬石を用いることで、武具の性能を引き上げられる。
具体的には、Eランクの武具でも精錬度6まで強化すれば、ワンランク上のDランクを相手にしても十分通用する性能になる。
Dランクならば、+6でCランク相当だ。
「いずれはCランクのダンジョンもローテーションしたいからな」
そのためにも、まずは現時点で手に入れられる有用なアイテムは揃えておくべきだ。
「一番は、アクセサリーの更新だな」
アクセサリーは、身体能力を直接強化する。
レベル1アップあたりSPが5つ増加であるため、アクセサリーの補正が50になれば、レベル10ぶん身体能力に補正を受けられる。
おまけにこの補正は、装備条件にも適応される。
ソラの中でアクセサリー確保は、武具確保よりも優先度が高い。
なので、目標は次の通りだ。
・身近なボスを倒して使えるアイテムを入手する。
・C、Dランク以外の武具を一新する。
・すべての装備を手に入れて精錬する。
・アクセサリーはなるべく揃える。
・装備条件に満たないステータスに、SPを振り分ける。
これで、Cランクに上がる準備が整う。
ソラがここまで慎重なのには訳がある。
それはCランクに出現する魔物が、それまでとは違い頭を使うようになるためだ。
実際に戦闘を目にしたことがないため分からないが、Cランク以上の冒険者の間では、C以降は別世界だと語られている。
敗北は死を意味する。そんな世界だからこそ、準備は慎重すぎるくらいが丁度良い。
○
レベルがカンストしてから、ソラはボス狙いでダンジョンを巡った。
通常モンスターはすべて【隠密】で回避して、ボスだけを狩る。
道中、中ボスが出現している可能性もあるので、【気配察知】で強い気配を探りながらボス部屋に向かった。
一日でダンジョンを二箇所回った。
回ろうと思えば、三箇所目も行けたが相手はDランクのボスだ。
疲労がどう戦闘に影響を与えるかわからないため、無理はしない。
一週間が経った頃、ソラは都内にあるDランクのボスを一通り回り終えた。
「……さすが【完全ドロップ】。思いのほか、良いアイテムが集まったな」
インベントリを眺めながら、ソラは自分の顔が引きつるのを感じた。
中ボスも含めたボスドロップは、全部で57個にも上った。
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