20話 アリスとエイダ
「ここはどこ?」
アリスは真っ暗闇の中に立っています。こんな場所知らないのに、気づいたらここにいるような気がします。アリスの声に応えるかのように、目の前に誰かが現れました。自分と同じ服を着ているけど、全身が毛のない皮膚で覆われて、頭にだけ違う色の毛が生えた奇妙な生き物でした。
「あなたはだれ?」
物怖じはしません。少女は後ろで手を組んで微笑を浮かべます。
「私はアリシア。あなたにお礼を言いたいの。」
名前まで同じです。彼女はこちらのアリスのことを知っているみたいですが、言われた本人の記憶にはありません。アリシアは構わず続けます。
「邪魔な私を切り離してくれてありがとう。おかげで私は苦しまないで、いい子でいられるのよ。」
「あなたはなにを・・・。」
「何言ってるのよ!」
空間に響き渡るほどのキンキンとした大声に、アリスは咄嗟に耳を上から押さえます。その声は後ろから消えました。振り向くと、今度はアリシアと瓜二つの少女。いきりたった顔でアリスを睨んでいます。
「元々は私のくせに、自分だけ幸せに過ごして!私だってあなたみたいに過ごしたかったのに、なんでなの!?」
もうなにがなんだかわかりません。向こうのアリシアの言葉でさえ理解できないでいるのに。
「ねえ、あなたたちは誰?さっきから意味わからないことばっか言わないでよ。」
少女は酷い剣幕で喚きました。
「憎たらしい、許せない!この悪魔!!」
なんて夢が記憶が鮮明に残ったまままで、きわめて不快でなりません。アリスはバスに乗って、一番後ろの座席でぼーっとしていました。心に重い鉛がかかったような、あるいは綿でいっぱいに詰められたような苦しさを感じます。
「どうかしましたか?」
隣に座っていた少女が声をかけてきました。全身毛に覆われているくせして、頭からは違う毛まで生えています。
「具合が悪そうですが、乗り物酔いですか?」
どうやら表にも現れていた様子。アリスは首を振って否定しました。
「そうですか。」
二人の会話はおしまい。これ以上続くことはありません。しかし、次のバス停で、偶然にも二人が同じ場所で降りることとなりました。
「・・・・・・。」
今度は気まずい沈黙が流れます。アリスの方は特に気にしてはいません、だって興味がなければ他人なんて風景とおんなじです。少女の方はあれこれ考えていました。アリスも興味なければ、さっさと離れてしまえばいいのに。いや、アリス?も考え事をしていました。「間違えてひとつ前のバス停で降りてしまった。どうしよう。」と。
「ねえ。」
「は、はいっ!?」
我にかえる少女。彼女が思考にふけていたなど知ったこっちゃありません。
「この町に本屋はあるかしら。」
アリスの質問に、少女は前を指差します。
「ここからだと近いですわ。歩いて五分程度で到着します。・・・本屋ではなく図書館ならご一緒できましたのに。」
丁寧に説明してくれて申し訳ないけど、別に知らない人と一緒にならなくても残念ではなかったのです。
「あ、やっぱいいですわ。私が図書館にいると知っている人は少ない方がいい。」
途端に思い詰めた顔で呟き始めます。アリスは直感で「この人は面倒」だと感じたので、だまっておいとますることに。
「待ってください!」
これには予想外です。なんと、少女に呼び止められました。早く用事を済ませたいのに、嫌な顔を見せないよう、顔に力を込めて真顔でごまかしました。
「私のこと誰にも言わないでもらえますか?」
「いいけど、なんで?」
返ってきたのは深いため息。上から何かのしかかったかの如く肩を落とします。
「私、学校をさぼってしまいましたの。宿題の途中に寝てしまって、明日提出だから間に合わなくて、今日のうちに仕上げないと。」
少女は出会ったばかりの他人に正直に打ちあけます。
「調子が悪いなら仕方ないじゃない。」
当たり前のことを言ったつもりでした。
「私はそういうわけにはいかないのです。」
少女はこう返します。アリスにはさっぱり。
「・・・わかったわ!」
早く本屋に行きたいのと、興味のない話ばかり聞かされてうんざりしてきたので、快諾して疑心を抱かせることなく相手を納得させる考えです。そこまで意図があるとは思ってもいないでしょう、少女は心底嬉しそう。
「ありがとうございます。あなたのことも・・・内緒にしますわ。」
「うん?ありがとう。」
別に内緒にしてほしいことなんかないのに、と変に感じながらもアリスは本屋に向かいました。この時少女はアリスのことを「自分と同じ、事情があって学校に行っていない子」と思い込んでいたのです。こちらはそもそも通ってすらいないわけですが。やれやれ、あちらに意図があることもアリスはわかっていません。
アリスはこの日、絵本を一冊購入しました。彼女だって娯楽の一つや二つ欲しくなるものです。
三日後、アリスは森の中を探索中。十四歳の女の子が鉄砲と縄を持って晩ごはんに並ぶ食べ物を狩りにきたのです。本人は体を動かすのが好きなので、それで食糧も得られるなら一石二鳥でしたが。
「あれ?」
森の出口の切り株に、この前の少女が座っているではありませんか。子供用のドレス、頭の毛には飾りだってつけてあります。
「あら?あなたはこの間の・・・。」
俯いた顔がギョッとします。だって、猟銃を抱えた自分と同年代の少女がそこにいるんですもの。
「前はありがとう。こんな森に、そんな格好で何しているの?」
「え・・・ええ。」
あまりのアンバランスな組み合わせに理解が追いつかず、少女の方は聞く気にもなれません。彼女はまた、あの時と同じ物憂げにため息をつくのです。
「社交会から逃げてきたんです。社交会のダンス、嫌いなんです。知らない、好きでもない男性と手を繋いでそのうえ愛想笑いするのなんて。」
社交会を知らないアリスでしたが、子供が嫌な顔をするものに興味がそそられません。きっと勉強みたいに難解で退屈なんだろう、少女を見るとそんな気がしたのです。
「あなたって何かに苦しんでばかりね。」
悪気のないアリスの言葉に苦笑い。
「私はいい子ですから、みんなの前ではどんな事も嫌な顔一つできないのです。多少の事なら我慢しなくてはいけません。なのに・・・。」
相変わらず面白味のない話。ですが、アリスには妙に引っかかります。はっきりした理由はわかりませんが、自分だって散々言われたような・・・。つまらないだけならまだしも、不快感が胸と頭の隅につっかえて嫌な感じ。
「ほんとにいい子ならそんなこと考えもしないでしょうね。いい子って言われてるだけで、ほんとはそうでもないんだわ。」
心の中では知った顔のアリスは、体が濡れたわけでもないのに体を振ったあと自分の両頬を叩きます。その奇行に少女の目は点。
「な、なんなの・・・えっ!?」
アリスが彼女の腕を掴んで立ち上がらせます。あまりにも突然なのでされるがままです。
「せっかく嫌なことから逃げたのにじっとしているだけなんて勿体ないわ。」
「いや、私、そろそろ戻ろうと・・・。」
「逃げたのに意味ないじゃない!」
少女は頑なに動きません。顔はお淑やかな困り顔を浮かべているのに。
「さっきから逃げた逃げたって、なんですか!?確かに、その通りですけど。」
「嫌な事から逃げて何が悪いの?戻って、またいい子で我慢して、繰り返して、なんの意味があるの?」
少女の体から力が抜けていくのを察しました。魂の抜けたような、目と口は勝手に開いてるみたいな。
「誰も見ていないなら、好き勝手したって構わないわよね!」
そしてアリスは彼女の手を引っ張ってどこへともなく走り出したます。ヒールで駆けるにはでこぼこの道ですから、足元には十分気をつけて、なるべく地面につく面積を少なくして。甲高い足音だけがやたら響きます。
「なっ、なにをするんですの!?」
「いいからいいから!」
楽しそうな声と、戸惑う声だけが森を駆け抜けます。
辿り着いたのはドーター村。
「アリスちゃん!」
こちらに手を振りながらやってきたのはアリスの友達のメイベルです。
「この子は私の友達!」
「ごぶさたしてます・・・。」
毛に覆われた皮膚からでもわかるほど顔を赤くして下を向いてしまいます。少女が心の中で「友達の反応じゃないのでは?」とツッコミひとつ。
「この村ね、街ではなかなか見られないような珍しいものもたくさん売ってるの!例えば・・・。」
友達を紹介しにきただけではありません。まずは自分が立ち寄ったことのある店からまわっていこうとしました、が。店でもない、特別目を引くものを発見しました。アリスがクロケー大会で優勝した際にもらったフラミンゴ二匹。しかし、明らかにラクダに匹敵するほど巨大化しています。
「あんなにでかかったかしら。」
メイベルが、草を食べているフラミンゴの背中を撫でてあげます。
「へんなキノコたべたら、たいへんべんりなことに・・・。」
まあ、荷物運びとしては優秀かもしれません。アリスも、そんなフラミンゴを見て閃きました。
「あのフラミンゴかしてほしいの!」
「え!?」
アリスに背中を叩かれたフラミンゴは足を折りたたんで低くなり、それに軽々と乗った後少女の手を再び取りました。
「今度はなんですの?」
「いいからのって!」
訳もわからぬまま、ふさふさの背中にまたがって、どうなるかはなんとなく予想できた少女がしっかりアリスの腹部から腰の間あたりに腕を回します。もう、拒絶する気も湧いてきません、勢いに振り回されて自分ではなす術もなさそうでした。アリスの中ではこの村で買い物をする予定でしたが、彼女の行動は思いつきの気まぐれのバラバラ、やりたいと思ったことが他にあればそれまでのことなんかどうでもいいのです。
「さあ、走って!」
フラミンゴは素直に従って、足を伸ばし、地面を思いっきり蹴って村を出て行きました。
「ななな、なん!?えっ、いやですわ!いや・・・いやいや、い・・・ぎゃああああああ!!!!!」
今度は少女、大絶叫。背中にまで顔を埋め、髪とおしゃれなドレスの裾をせわしなくはためかせ、ふたりを乗せたフラミンゴは猛スピード。
「なんだったんだろ・・・。」
土埃がもうもうと湧き起こる中、その場を目撃していた村人たちを含め、メイベルも立ち尽くしていました。
街に到着した一向。フラミンゴは荷物運びとして門番に許可を得て、特別に街に入れてもらいました。ちょうどいいタイミングで楽しそうな人だかりができています。人混みを掻き分け、なんとか最前列にまで並んだふたり。アリスには見覚えのある、円形のコースが石畳に描かれてました。
「楽しい楽しいコーカスレースさ!今回は飛び入り参加はいないのかい!?」
中央にいる男性が、マイクなしに大きな声を張り上げます。
「買い物に来たけどちょうどよかった!」
アリスは手を上げ、ついでに爪先立ちまでして主張します。
「コーカス、レース?」
少女は知らない模様。アリスが身振り手振りで説明。
「いっせいによーいどん!ってして、あの人が終わりっていうまで走るの!ゴールや位置はいつもバラバラなのよ!」
男性はうんうんとうなずいています。ですが、走ることなんて目の前のコースと、レースという言葉で伝わりました。
「ヒールで走るなんて無理です!」
走る時点で、彼女が断るには十分な理由でした。でもアリスはこれも想定内のことでした。
「参加者はこのフラミンゴという事でどう?」
指をさしたのは後ろでじっとしている身の丈以上の大きなフラミンゴ。アリスは続けます。
「だから上に誰が乗っても関係ないわよね?」
「今の流れで言うと、乗るのは私ですよね?」
するとみんなは驚き、中には爆笑する者もあり。仕切る役の男性も笑いを堪えてやっとに進行できません。口を開けば。
「いいんじゃね。」
この一言。会場は好奇と歓喜の大合唱。アリスは便乗、少女は圧倒。ただひとり、崖の淵に立たされたみたいな顔。
「あなたが乗ればいいんじゃないですの!?」
流石に押されるだけでたまるものかと、元凶の肩を揺さぶりますが、逆に肩を叩かれます。にっこりと笑顔で。
「ちなみに乗るのはこの子よ!!」
あーあ、とうとう大衆の前で言い放ってしまいました。会場はさらに大盛り上がり。大きな獣と、ドレスに身を包んだ子供の組み合わせのなんと強烈なことか。
「あ・・・あ・・・。」
ここで少女の持ち前のいい子が発動。きっと拒否し続けたらどうなるか目に浮かびます。泣く泣く、またもフラミンゴに身を委ね、今度はアリスもいません。細い首にしがみつき、位置について、しきり役の男性の合図とともに走り出します。おやおや、さきほどよりも速さが増しているような?ちなみに、少女は見事優勝したとさ。よかったですね。選手はあくまでこのフラミンゴ、少女なんてお飾りにしか過ぎないので褒美のパンは全部フラミンゴの胃袋に収まってしまいました。
フラミンゴは村に勝手に帰りました。少女はふらふらの足で、アリスの肩を支えに歩いています。
「は、はひ・・・。」
文句の一つでも言いたいのに、口から漏れるは苦しそうな呼吸のみ。こんな有様の自分をこれ以上無茶苦茶に振り回さないことを信じて。次に向かったのは例のお茶会です。アリスもお腹が空いていた頃でした。
「アリス!あれ!新しいお客さんだ!」
そこには相変わらずいつもの光景とお決まりの面々。強いていうならハニーが藁でできた冠をかぶっていたことぐらい。
「これはなんのパーティーですの?」
食いついた少女。テーブルの端から端までいろいろなお菓子がたくさん並んであったら、目も輝くというもの。ようやく腰を据えることができるという安堵もありました。
「毎日が誰かのハッピーバースデー!っていうのはさておき、コイツが主催のお茶会だよ!」
「コイツ言うな。」
自分を指差す手をそっと下ろすテディーも定位置で目の前のホールケーキにフォークを突き立てています。こっちも帽子におそろいの藁冠。
「まあ、お茶会?こんなにたくさんのスイーツが並んだお茶会は初めてです。」
「スイーツだって!!」
一人ツボにハマったハニーが椅子を叩きながら声を大に笑っています。不思議そうな少女と、スルーをキメる他のみんな。
「ここは無礼講、行儀や作法など知ったこっちゃない半無法地帯といったところだ。」
「ここは自由、お行儀良くしたいならそれでいいさ。僕らにはできっこないからね!ほら、寝てるやつもいるよ!」
テディーの座る椅子に肘をかけたと思いきや今度は反対の隣の椅子から茶色の長い毛の塊を持ち上げる。少女は気づかなかった。何か丸い塊が上下していたことを。
「はぁ・・・。」
頭にはてなを浮かべる少女。彼女の知っているお茶会とは全くの違うもののようです。
「座って座って!彼の作ったものはどれも絶品なのよ!」
「えへへ。」
はにかむ仕草がなんともあざといハニーを、一気に悲しい気持ちへ叩き落とす出来事が。
「お菓子って、作るものだったんですか?」
少女のまったく悪気のないこの一言に、その場にいた誰もを凍りつかせた。
「大抵のものは、作ってできると思うのだけど。」
アリスの至極当然なツッコミと。
「ふ・・・ふふ・・・。」
笑いを必死に堪えているテディーと。
「僕は今まで何を作ってたの!?」
今までの自分のしてきたことを真っ向から否定されたようなハニーは青ざめた顔で震え上がっています。それが視界の隅にでも入ろうものなら、テディーは我慢の限界です。
「だーはっはっは!!こいつぁ傑作!!なァ、俺は今まで何食わされてたんだろうな!!」
「私何かおかしなことを言いました?」
戸惑う少女に、アリスが何も考えなしに一言口を挟みます。
「お菓子なだけに?」
テディーもお菓子どころではありません。抱腹絶倒とはまさにこのこと。お茶会は想像以上に賑やかなものになりました。
「こんなハードスケジュール初めてですわ!」
テディーがまた糖分が切れて大暴れする前にお茶会を離れ、今は森の中の小道をふたり歩いています。少女はヘトヘトといった感じ。アリスはものすごくご機嫌。
「でもいい息抜きにはなったでしょ?」
「はぁ・・・まあ・・・。」
息抜きにしては随分体力を使ったような、そんなぼやきは胸の中にしまって。
「たまには息抜きしないと、頑張れなくなっちゃうかもしれないじゃない!」
「・・・あっ。」
いい雰囲気になりかけていたところで、少女が立ち止まります。顔は冷や汗を吹き出して大きく開いた口は若干引きつりながら。
「忘れてた!社交会!」
頬に手を添えて、とある有名な絵画の如く、重力に引き延ばされたみたいな、滑稽な絶望顔の少女をアリスは真顔で眺めていました。社交会はさておき、外は夕暮れ時。子供ならそろそろおうちに帰る時間です。自分は例のアレがあるので、他人事。
「ここからあなたの家までどれくらいかしら。」
少女は金色のお戻り券を取り出します。
「私にはお戻り券がありますのですぐには帰れるのですが・・・ほったらかしたのですよ?帰ったらなんて言われるかわかりませんが、ええい!覚悟のうえです!」
落ち込む割にはあっさりと決意を心にきめました。アリスも勝手に巻き込んだので、ちょっとだけ申し訳ない気持ちもありましたが、今の彼女にお詫びの言葉をかけるのはやめました。
「・・・あなたとの事は後悔していないわ。楽しかった。明日から頑張るためにも、忘れませんわ。・・・一生忘れられないでしょうね。」
夕陽の逆光を浴びて同じオレンジ色のドレスでさえ暗く染まっている彼女の笑顔だけは鮮明に目に焼きつきました。アリスもこれには満足です。
「それはよかった。じゃあね。」
「待って!」
今度は少女の方からアリスの手をつかんで引き留めます。
「私の名前はエイダ=キャルヴィンといいます。あなたは?」
礼儀正しく、会釈までするエイダと名乗る少女にアリスはいつも通り。
「アリシア!アリスって呼んで!」
エイダは手を離して、一歩だけ後ろに距離を取ります。
「・・・アリス、ひとつお願いがあります。私とお友達になってください。今日でわかったのです、私にはあなたみたいな方が必要なのだと。」
何を思ったかアリスは自身の鞄を開けて、指で二回叩きます。一つの合図みたいに。すると、中から出てきたのはアリスの家族のマルコでした。地面に軽々と着地した後、エイダの足から登って腕、肩、たどり着いたのは頭の上。もちろん、彼女は大混乱。
「わっ!ネズミ!?ネズミですよね!?なんで!!?」
小さな生き物に取り乱す様にアリスは噴き出したあとお腹を抱えて笑っています。しんみりした空気が続いて耐えられなかったようです。
「あははは、いいわよ。友達になってあげる!」
手を叩くとマルコはアリスの鞄の中にすっぽりと収まってしまいました。
「もう・・・。」
おめかししたドレスも髪もめちゃくちゃ。振り回され続けのお嬢様。しかし、悪い気は全然しません。だってはじめての特別な友達ができたのですから。
その夜。
「今日は楽しかったけど疲れちゃった!」
洞窟の中で大の字のアリス。マルコは彼女の方のそばで寝そべっています。
「良かったわね。」
リデル・・・もとい、悪魔は彼女に頭の中に話しかけます。
「うん、これからの私の毎日がもっと楽しくなる・・・といいな。」
「言い切らないあたり、あなたらしいわね。」
本当に体は疲れが溜まったアリスは数分後に眠りに落ちてしまいました。今度はいい夢が見られますように。
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