俺は世界一有名だぜ!

コウキシャウト

俺は世界一有名だぜ!

タイトルの通り、俺は世界一有名な存在だ。余程ニュースや情報に疎い土地やコミュニティに住人数人の離れ狐島とかを除けば、俺の名前を知らないヤツはいないだろう。下積み時代こそ割と長かったかもしれないが、やっとここ最近になって大ブレイク、気付けば老若男女が俺の事を話題にし、その浸透力や瞬間風速度は各国の首相や大統領、政治家、ハリウッドスターやセレブ、歌手といった連中の行動や発言、大規模な事件や事故にスキャンダル、勿論SNSのトレンドさえ凌いでいると思う。


俺の強味は、誰も真似出来ない、そしてSNS的な意味でなく本当の意味でのフォロワーが殆ど現れない位の、圧倒的な才能や力を持っている事だ。最初は俺のことなんか全く興味ない、気にしない、なんて言ってる連中も少し経てば俺の虜に。俺に夢中になり過ぎたファン達はコンサート会場よろしく一つの場所に集まってその熱狂ぶりを皆で共有しているそうだ。


逆に俺の弱味というか悩んでいる事は、皆に嫌われ、恐れられている事だ。悲しい事に俺の事を大好きだ!と言う人間には今まで会った事がない。ファンかと思いきや実は俺と同じ名前の別のヤツだったりと散々だよ。まあこれは有名税というか、存在が大きくなればなる程避けられない問題ではあるのである程度覚悟していた事ではあるのだが、もしかすると自分自身が表現するジャンルやカテゴリーの問題なのかもしれない。それにしても、別に俺は強面の男や犯罪者や殺人鬼、はたまたエイリアンや地球外生命体みたいないかにも怖そうな外見をしていないのに、なんで皆異様に嫌って怖がるんだろうか。


もっと皆には、俺の良い所を見て欲しい。皆みたいに肌の色とか人種で人を差別した事は俺は一度もない。有名な人間、社会的地位が高い、偉い人間だからといって俺はそいつらだけ異様に優しくしたり、特別扱いしたこともない。影響力は人それぞれだけど、皆に比べればどんな人間も平等に扱ってきたつもりだ。さて、この文を読んでる賢い人達ーつまりほぼ全員だと思うがーなら、もう俺の正体は分かっただろう(正体を書いたタグがきっかけでこれを読んでる人は最初からバレバレだろうが)。俺が世界一有名なのもあと数年位だろうけど、上手く付き合ってくれよな。


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