第9話 嘘

マジでムカつく。


中学2年生になると、

あたしの力は、ついに、コップくらいの小さなものなら、手を触れずに、30cmくらいは動かせるようになった。


力を使ったあとは、疲れるのと、たまに肌が痒くなる。

お風呂上がりとかに、血流が良くなり過ぎて、痒みが出る、あんな感じ。


だから、あまり力は使わないようにしてた。

誰が見てるか分からないしね。


あたしは、超能力について、ググる習慣が出来て、知識も広がって、自分の力を何とか理解しようと努力してた。


原子とか、分子とか、ミトコンドリアや、脳、熱量や振動、プラズマや電波まで、力や伝達手段なんかを沢山知ることで、化学の成績は自然と上がった。


もっとも、あたし的には、感覚的な表現の方がしっくりくる。


力を使うときは、身体が熱くなって、

小さな振動のようなものがあって、

目の焦点は少しズレる。


グー、ブルブル、シューみたいな感じ。


その事を彼氏に話して、実際に見てもらって、意見を聞こうと思った。


そうしたら、アイツは、あたしの力を見ると、口を開けて、呆然とした顔をした。


そう、アイツの力は嘘で、適当にあたしの話しに合わせていただけで、目的はあたしの身体。とんだロリコン野郎。

犯罪だよ⁉︎


だから、実際にあたしの力を見ると、アイツは、あたしを宇宙人を見るような目で見た。


あたしは他人のそう言うのに敏感だから。

だってHSPだから。

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