第2話 光

あのね。あたしはさぁ。小さい頃に、原因不明の高熱が10日間続いたことがあった。


それから、少しずつなんだけど、あたしのまわりで不思議な事が起きるようになった。


最初はとっても小さい事だった。


まず、目が悪くなって、今までは2.0だった視力が、いきなり0.3になった。


そうしたら、少しずつだけど、違うものが見え始めた。


人間は、淡い色。だいたいが3色のどれか。

赤、緑、青。

赤い人は子供が多くて、青はお年寄り。

妊婦さんは、紫で、緑の人はたまにしかいなかった。


当時はあたしは小学生で、友達や親に言っても、誰も信じてくれない。


あたしにしか見えないカラー。


最初は、お母さんは眼科に連れて行ったけど、色覚に異常はない。

そりゃそうよ。テレビだって、日常の風景だって、今までと何一つ変わってないんだからさ。


ただ、人の周りに淡い色が見えるだけ。


最初はね、別にいいやって気にしないようにしてたんだけど、小学6年の時に、事件は起きた。


あたしのおじいちゃんが危篤になった。


あたしとお母さんは病院に行った。


そこで、あたしが今まで見ていたものが何かを知った。


おじいちゃんの発する光は、真っ青で、ハッキリとした光だった。

今までが蛍だったら、今のおじいちゃんは蛍光灯くらい。


そして、おじいちゃんが息を引き取ると、光は消えた。

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