彼女に癒やされたい俺の青春

早蕨琢斗

第1話 思いつき


「はぁ…。彼女ほしい。」


 そんなことをつぶやきながら自室の天井を眺める。特に予定がないため、ごろごろと怠惰な休日を自室のベッドで横になり送っていた。 


 高校生活が始まり一年が経ち春休みを満喫していた。課題は、ほぼ終わらせてしまったし、勉強を進んでやるような性格でもない。今から連絡を取れば遊べる相手くらいはいるが、男友達と遊ぶ気分ではないのだ。暇な時間を活用して無駄な思考をしていたら、ふと彼女がほしいなと思ったのである。これに深い意味などはない。思いつきである。


 ある人物に、明日暇かとだけ連絡を入れる。何をするかは決めてないがだいたいこういう時は決まって、隣町のショッピングモールに行くことになる。


 その後すぐに、静かな部屋にピコンとスマホの通知音が鳴り響く。


 こいつも暇なのかと思いつつ返信をする。そして、予想通りショッピングモールに行くことになった。


 寝ていただけが腹が減ってきたので、台所に向かいインスタントのラーメンを作る。冷蔵庫にあるあまりの食材をいれて、それっぽい感じのラーメンが出来た。

まぁ、味は言うまでもない。食べ終わり食器を片付け、部屋に戻りすることもないのでまたベッドに横になり眠気に襲われ眠りについた。




 朝起きてから連絡をいれ、何時に駅に集合か決めて準備を始める。相手もすでに起きていたため即決まった。俺たちは特に、細かい決め事をしない。どこに行くかさえ決まっていればいいのである。タンスをあさり適当な服をきて、財布だけもって家をでた。

(そういえば、集合時間少し早くしすぎた気がする。)






「遅いんですけど。」

駅に着いたときに俺に向かって、紺色のワンピースをきた女子が言ってきた。そう、こいつは幼なじみの瀬崎せざきひとみだ。


「悪かったって。なんか奢るからさ。」


「え‼ほんと?じゃ、何奢ってもらおうかな~。」


「取りあえず行こうぜ。あまり高いのはやめてくれよ。」


「さすがに分かってるよ。」

ひとみは笑みを浮かべながら、俺の手を引っ張り進んで行く。ま、久しぶりに遊べてうれしいのは分かるが、はじめからテンション高くないか?俺とひとみは小さい頃から両親同士仲がよいためよく遊んでいた。中学までは何かと関わることが多かったが、高校ではクラスも違うし、クラス数も多いため学校で話す機会は少なくなった。


一年生は色々とやることが多く連絡さえあまりしていなかったのだ、今日はまともに話せる日なので楽しみにしてたんだろう。


「今日さ、何しよっか。」


「そうだな。服とか見るのはどうだ?」


「いいけど。もしかして、また身長伸びたの⁉」


「まぁ、伸びたな。察しがよくてたすかるぜ。」

なぜ、ひとみがこんな反応をしているかというと、1年前くらいに服を選ぶのを手伝ってもらったからである。俺が選ぶと変な組み合わせになったりするので、おしゃれした方がいいといって何着か選んでくれた。今回もサポートとして見てもらいたいのである。


「はぁ、私もついでに洋服見たいからいいけど。」


「なら、決まりだな。」


「それより、私にも少しくらい身長分けてよ~。」


「女子はそんなに高くなくてもいいだろ。ひとみはもう身長いい感じだと思うぞ。」

 そんなどうでもいい会話をしながら、目的地に向かう。そして、本題の話をどう切り出そうか考えているが、タイミングが見つからない。

 





 話している内に俺たちは、目的のショッピングモールに着いた。

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