気まぐれな彼女
アオヤ
にらめっこ
チャリン〜
駅までもう少し、通勤を急いでいたら俺のポケットから小銭がこぼれた。
五百円じゃないよな?
俺はかがんで小銭を探した。
一通り探して、もう落ちてないのを確認して立ち上がった。
俺から30センチ先のフェンスに“オナガ”と思われる鳥が留まっていた。
しかも俺の顔と同じ高さ。
小首をかしげる様な仕草で俺をジッと観ている。
俺と暫く目があったまま時間がながれた。
そのまま“にらめっこ”を数十秒続けた後、彼女?はプイと横を向いて飛んで行ってしまった。
よっしゃ!
“にらめっこ”に勝った!
朝から何かいい事がありそうな気がしてきた。
でも俺はその日、結局大した運には巡り会えなかった。
家に帰って、紗菜にそんな話しをしてみた。
そしたら何故か紗菜が俺から30センチ位まで近寄って来て、ジッと俺の目をみつめた。
そして十秒位したら何故か頬を紅くして、プィと横を向いて離れていった。
「こんなカンジだった?」
「ん?」
「ほら! コーヒー入ったよ!」
気まぐれな彼女 アオヤ @aoyashou
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