第21話 お泊まり会
リアラと茜が買い物から帰って来た後、友樹が泊まる事を聞いた茜は、「私も泊まる!」と言い、友樹と一緒に着替えを取りに向かった。
「今日は何を作るんだ?」
「オムライスです。半熟にするのが苦手みたいですね」
「なるほどな」
確かにオムライスの卵を半熟に作るのは、なれていないと難しい。
和樹もリアラがまだいなかった時は、動画を見て美味しそうと思って真似して作ってみようと思ったが、全然上手くいかなかった。
「ビーフシチューも作りますので、ビーフシチューオムライスにしますね」
「それは早く食べたい」
そんな話をしているうちに、友樹と茜が戻ってきた。
「和樹君、泊めてくれてありがとう!今日はよろしくね」
「おう」
と言うことで茜は早速リアラとキッチンでオムライス作りを始めた。
リアラは丁寧に教えていて、それを茜は真剣に聞いている。
「女子がキッチンで料理してるって何かいいな」
「そうだな」
和樹と友樹は何もする事がないので、キッチンにいる二人の後ろ姿を眺めている。
「今日何作るって?」
「オムライス。しかもビーフシチューもかけるってよ」
「絶対美味いやつじゃん」
「俺普通のオムライスでも3日に一回は食べてる」
「いやどんだけ食ってんだよ」
前までは和樹はここまで好んでオムライスを食べていなかった。だが、リアラが来てからは、リアラのオムライスの虜になり、今では3日に一回は食べている。
「美味いんだから仕方ない」
「それは楽しみだな」
そんな話をしながらリアラ達も時々休憩を入れて2時間、ようやくビーフシチューオムライスが完成した。
茜は友樹のオムライス、リアラは和樹のオムライスを作った。
「できたよ友樹!」
「おお!ちゃんと半熟だ」
「リアラちゃんが丁寧に教えてくれたから」
「茜さんも料理の基礎はできていましたから、コツを掴んだようで簡単にできていましたよ」
茜の方のオムライスも、卵が崩れることもなく、半熟のままでしっかりとご飯を包めている。
「ご飯の方はガーリックバターライスにしました」
「へえ、食べたことないな」
友樹が思い出しながら言う。和樹もガーリックバターライスのオムライスはまだ食べたことが無かったので、どんな味なのか想像がつかない。
「じゃあいただきます」
和樹は早速スプーンでオムライスを割り、口の中に入れる。他の三人もいただきますと言い、口に入れる。
「……美味い」
オムライスでは珍しいガーリックを入れていることで、最初にガーリックの風味と旨味が来る。そして後から抜けてくるバターの香り。それを最後にまとめるのがビーフシチュー。卵も口当たりがよく、噛めばすぐに消えていく。これが不味いわけがない。
「私もこんな美味しいの作れると思わなかったよ」
「リアラちゃん様々だな」
「ありがとうございます」
「これガーリックバターだったらもっと重いと思ってたけど、全然重くないな」
和樹が気になった事を言うと、リアラはすぐに答えを出してくれた。
「ビーフシチューにトマトを多めに使かったので」
「なるほど」
ビーフシチューのトマトの酸味により、重くならずに食べることができる。
こうした工夫を他の料理でもしてくれているので、和樹は飽きずに食べられている。
皆の皿からあっという間にオムライスは消えた。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
茜とリアラは晩御飯を作ってくれたので、和樹と友樹で食器を片付けていた。
食器も洗い終わり、休憩しようとしたら、茜が泊まるように持ってきたカバンから何かを取り出した。
「ねえ、これやらない?」
「人生ゲームか」
人生ゲーム。スタートする時に自分のコマの色を決め、スタート時の所持金を貰って、ルーレットを回して数字の大きい順に進んでいく。
途中で家なども買えて、ゴール時にその買った家の購入額が資産価値となって、売却される。
最終的に、一番所持金の多い人が勝利となる。
「前にやった事あるけど、しばらくやってなかったな」
「リアラちゃんやり方知ってるのか?」
「すみません、やった事がないので」
「じゃあチーム戦にしてみる?私と友樹、リアラちゃんと和樹で、二人の合計金額で多いほうが勝利」
「それでやるか」
こうして茜と友樹チーム、リアラと和樹チームの人生ゲームが始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます