第22話 瑞子ちゃんが、運命の人を教えてくれたよ。
岩山の間を走るピカピカの新しい船の上に、おかっぱボブの女の子が、笑顔でちょこんとすわっている。
わたしだ。
そして、船の上にたくさんのお菓子やオモチャを描きたすと、瑞子ちゃんは筆をコトンと置いて、その絵をみながらしゃべりはじめた。
「この男の子は、
でもちょっと心配しすぎかも。ふつうの女の子なら、きゅうくつに感じちゃうかな?
でも
「えっと……つまり?」
「相性はバッチリ! 最高だよ!」
そっか……わたしと
「じゃ、次の男の子ね……」
雨の中、たいまつがあるステージの前で、おかっぱの女の子が
わたしだ。
でも、わたしを描いた
「あのね……ちょっと変なこと言っちゃうかもだけど、
そう言って、
「でね、占っている男の子が
そう言って、今度はわたしにそっくりな女の子を指さした。
「つまりね、この男の子は
カッコイイ! 女の子みたいだけど、ハートはスッゴク男らしくてカッコイイ!」
「えっと……つまり?」
「相性はバッチリ! 最高だよ!」
そっか……わたしと
「じゃ、最後の男の子ね……」
瑞子ちゃんは「はぁ」とため息をついて、すっごくイヤそうな顔をして筆をとった。
わたしは
「この男の子は、
言葉がドゲトゲしていて
バカなニャンコはホンット最低。うえは
「えっと……つまり?」
「相性は最悪! この男の子はダメ! 絶対にダメ!!」
そうなんだ……わたし、
チクン。
あれ? なんだろうこの感じ。ムネがざわつく。
瑞子ちゃんは、三枚の絵を見ながら言った。
「
「え? どういうこと?」
「その子はね、小学一年生の時から、ずっと
ううん、小学一年生の時からじゃない。産まれた時からずっと
「え? そんな人いるの?」
「うん……いるよ……
瑞子ちゃんは、わたしの目を見ると、にっこりとほほえんだ。
陶器みたいにすっごく白い肌で、腰まである黒髪で、キラキラしたおっきな目で、トロンとした二重のまぶたで、背はわたしよりちょっとだけ低い。すっごい美少女が、わたしの目を見て、にっこりとほほえんだ。
トクン!
瑞子ちゃんは、おっきな瞳で、わたしのことをまっすぐと見て、ずっとほほえんでいた。
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