第19話 「瑞子」は名字、名前は「ミコ」だよ。
わたしは、息をはずませて、飯田橋駅の駅前にある
オートロックのおっきな自動ドアの前のよびだしボタンに、
「(あ、
「うん、話したいことがあって、学校からそのまま来ちゃった!」
わたしが答えると、オートロックの自動ドアが「ウィーン」と静かに開いた。
わたしはマンションの中に入って、エレベーターに入って、エレベーターの最上階のボタンを押した。
エレベーターは、静かにグングンと昇っていく。
そう、わたしとおんなじ名前。カタカナだから字も一緒。
だからね、わたしと
わたしは
小学校一年生の時、同じクラスになってからずっとそう。
わたしと
まず、名前がいっしょ。そして、誕生日も一緒。そして……お母さんがいない。
わたしも
あとね、家が神社なところもおんなじ。
あとは……どっちも美少女なところ?
あ、でもわたしにはけっこうってつくけど、瑞子ちゃんはほんとうの美少女。こまち先生みたいなじしょう美少女でもない。風水くんみたいな、ほんとうは男の子の美少女でもない。ほんとうに本当の美少女。
陶器みたいにすっごく白い肌で、腰まである黒髪で、キラキラしたおっきな目で、トロンとした二重のまぶたで、背はわたしよりちょっとだけ低い。
「まもってあげたい!」
ってなっちゃうタイプの美人さん。
でもね、性格はものすごくシッカリしている。頭もいいし、絵も上手。それからなんと言っても占いがすっごく当たる!
わたしがお父さんたちと一緒に帰らなくて真っ先に
ひとつめは、もちろんイジメっ子がいなくなったことを教えるため。
「また一緒に学校に行こう?」
ってさそってみるため。
(いきなり〝鬼〟なんて言っても信じてもらえないだろうから、どうせつめいしようか頭がぐるぐるしている)
もうひとつはね、占いをしてもらうため。
これが今日、わたしがお父さんたちと一緒に家に帰りたくなかった理由。
相性を占ってもらうんだ。
わたしと、三人のナイト……
だってね、今月の
わたしの運命の人って、絶対三人のなかのだれかだと思うんだよね!!
でも、三人はわたしのことを、毎日、二十四時間ボディーガードする。
だからね、チャンスは今日、今この時しかないって思ったの。
「わたしの運命の人ってだれかな?」
こんなこと、三人が見ている前では、はずかしくて絶対に聞けないもん!!
……ポーン
エレベーターが、最上階についた。
わたしは、エレベーターの目の前にある、
ピンポーン!
すぐに、インターホンから声が聞こえてくる。
「(
ガチャリ
ほんのちょっとの時間をおいて、玄関のドアが開いた。
「
「
わたしは頭がぐるぐるしていた。
なにから話そう。どこから話そう。新学期のこと? 鬼のこと? それとも三人のナイトのこと?
ううう……頭がぐるぐるする。こんがらがって何から話せばいいのかわからない!
「あ、あのね……えっとね……」
「顔、赤いよ? 息もちょっとあがってる。ここまで走ってきたの? とりあえず、入りなよ。なにか飲んでから落ち着いてから話そ。コーヒーでもいい?」
あたまがぐるぐるしているわたしを見て、
「うん。そうする」
わたしは、朱色のスニーカーをぬいで、瑞子ちゃんの家におじゃました。
いつきても、すっごくおっきなリビング、そしてすっごくおっきな窓から、
今日は晴れ。雲ひとつない快晴。だから空は真っ青で、おっきな窓でながめる景色は最高だ。
「
そう言いながら、
おぼんの上には、コーヒーの入ったマグカップがふたつ。そして、スティックシュガーと使い切りのプラスチック容器に入ったミルクがふたつ乗っていた。
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