未神楽ミコ。わたし運命の人を知ったよ。
第18話 イジメっ子がいなくなったよ。
今から三時間目の授業。
教室にもどったのは、わたしだけ。未神楽ミコのすがたのわたしだけ。
ちょっと、せつめいするね。
・
・
・
「つまり、クラスのみんなは記憶がなくなっとるんや!」
こまち先生は、頭のこめかみをひとさし指で「トン」とたたきながら言った。
「え? どういうこと?」
わたしが質問すると、こまち先生はひとさし指をくるくると回しながら話をつづける。
「二時間目は、
「そっか! つじつまあわないね」
「そう! せやから、その記憶をわたしが
こまち先生は、くるくるとまわしていた指をビシッとまうえに上げて、ノリノリなポーズをとった。
保健室は、静けさにつつまれた。
しばらくたって、
「……で、では、僕たち三人は、
って言ってガラガラと保健室の引き戸をあけた。
(
わたしは、ワンピース姿の
「ふーん、そうなんやぁ……」
って、こまち先生がニコニコしていた。
「それじゃ、わたしら美少女コンビは、三時間目の授業や。
クラスのみんなに、校長先生のながおもんない授業を二時間連続で受けさせるんは、さすがにキツい」
そう言って、こまち先生は、保健室を出ていった。
わたしは、こまち先生についていった。そして、ろうかに出てから、さっきからずっと気になっていたことを聞いてみた。
「
「しもた! わすれとった!」
そう言うと、あわてて指を「パチン!」とならした。
「
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・
・
チャイムが鳴った。帰りの会が終わったんだ。
「ほんなら、今日はおしまい!
あ、明日、転校生がくるから、みんな、よろしゅうに!
男子と女子ひとりずつ、合わせて二人や」
こまち先生が言うと、
「きりーつ!」
出席番号一番の
・
・
・
みんながぞろぞろと帰っていくなか、仲良しグループの
「転校生って、どんな男の子かな? カッコイイといいな!」
「わたしは、ダンゼン足が早い人がいい! 少なくともわたしより速い人!」
「それならわたしは、わたしより腕相撲がつよい人!」
全部、
「女の子も気になるぅ! カワイイ娘だといいな?」
「わたしは、ダンスが上手な子がいいな!」
「それならわたしは、ファッションにくわしい子!」
全部、
わたしが、ぐるぐると考えていると、
「ねぇ、
「え? あ……うん」
わたしはあわてて返事をした。
わたしは言った。
「今日、学校の帰りに
「そっか、
「うん!」
わたしは、
やっぱり、鬼の仕業だったんだ。
このクラスにはもう、
だからね、わたしはそのことをすぐに
学校の校門でまってくれている、お父さんたちには悪いけど、今日は裏門から帰ろう。
わたしは、クラスのイジメっ子がいなくなったことを、
わたしは、下駄箱で朱色のスニーカーにはきかえると、裏門に向かって走った。
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